◆PCMark 10 v2.1.2177(グラフ1~6)

UL Benchmarks
https://benchmarks.ul.com/pcmark10

  • グラフ1

  • グラフ2

性能であるが、まずはPCMark 10からご紹介。Overall(グラフ1)の結果で言えば、PCMark 10 ExpressはあまりあてにならないのでPCMark 10ないしPCMark 10 Extendedの方が評価には適していると思うが、ここではIntel系有利ではある。とは言えその差は大きくはないのだが。ただApplicationsでは多少Ryzen 9 3900Xが健闘しているものの、概ねCore i7-10700K相当というあたりに留まっている。ではこの差がどこからきているか? というと、Detail(グラフ2)を見る限りどれか明確に大差が付いているというものはあまりなく、全体的にIntelがやや有利という感じになっている。

  • グラフ3

  • グラフ4

  • グラフ5

  • グラフ6

実際Essentials(グラフ3)でもRyzenに比べて「僅か」ではあるのだが、Intel系の方が良いスコアを出している。同じ8コア同士で比較しても、Core i9-9900KよりCore i7-10700Kの方が良好なことからも、全体に底上げがなされているのが判る。この傾向はProductivity(グラフ4)とかDigital Contents Creation(グラフ5)でも大体同じである。まぁRendering & Visualizationでは多少バラつきが見られるものの、概ね大きな違いはないとして良いかと思う。Office 365(グラフ6)も傾向としては同じであり、数値演算が多いExcelではコアの数がある程度効いてくる部分はあるが、全般的にはIntel系がやや有利である。ただ、その性能差は本当にごく僅かであり、結果としてグラフ1の様に差はあるものの、これをもって「Intel圧勝」とは言えない(というか、この性能差だと「実用上、差は無し」とする方が実情に即していると思う)程度でしかない。

◆CineBench R20(グラフ7)

Maxon
https://www.maxon.net/

  • グラフ7

ではもう少し性能差が露骨に出やすいものは? というとやはりCineBenchということになる。ただ1 ThreadではRyzen 7 3800Xが最高速だったりするし、All ThreadsだとRyzen 9 3900Xがぶっちぎりで最高速(これはもうコアの数がそのまま性能に比例するから仕方がない)だったりする。またRyzen 7 3800XとCore i7-10700Xのスコアがほぼ同程度、というのもなかなか興味深い。

◆POV-Ray V3.7.1 Beta9(グラフ8)

Persistence of Vision Raytracer Pty. Ltd
http://www.povray.org/

  • グラフ8

PCMark 10にも含まれているPOV-Rayだが、CineBenchと同じレンダリング系ながら傾向が少し異なったので、ご紹介することにした。まず1 Threadの場合、最高速はなぜかCore i9-9900Kで、次いでCore i9-10900Kというちょっと不思議な傾向。Ryzenは500PPS前半で、あまり芳しくない。ただAll Threadにすると、Ryzen系も俄然性能を上げる訳であるが、Core i7-10700KはRyzen 7 3800Kより良いスコアだし、Core i9-10900Kも12コアのRyzen 9 3900Xに肉薄する性能な事を考えると、確かに性能改善は明確に示されている様に思う。