NTTデータとNTTテクノクロスは5月19日、ゆうちょ銀行の全国のコールセンター約350席に、両社のコールセンター向け業務支援AI(人工知能)ソリューションである「ForeSight Voice Mining」(フォーサイト ボイス マイニング)を2020年秋頃に提供開始すると発表した。

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同行のコールセンターでは、顧客からの商品・サービスなどに関する電話に対してマニュアルなどの情報に基づき対応しており、オペレーターの応対品質の向上と共に処理時間(通話時間、アフターコールワーク)の短縮が課題となっているという。

これらの課題を解決するために、同行は2018年10月~12月に同ソリューションを使用した実証実験を実施した。 実証実験では、実運用環境下における音声認識技術とFAQ検索技術との利用によって、経験の浅いオペレーターの応対品質の向上とともに処理時間の約3割削減が実証でき、課題解決における有効性を確認したとしている。

今回、実証実験で裏付けした同ソリューションの音声認識技術や、NTTデータの日本語解析技術を使用したコールセンター業務の応対品質向上、業務効率化などの導入効果について評価を受け、2020年秋から同行の全国のコールセンター約350席に対する本格的な導入を決定した。

同ソリューションは、NTTグループのAI技術「corevo」の音声認識技術や日本人特有の感情の分析技術、日本語解析技術を使用し、顧客との通話音声をリアルタイムにテキスト化する。 そのテキストから関連するFAQの自動検索や自動的な要約文の作成などにより、オペレーター業務を支援するという。

また、複数オペレーターの通話内容を同時に可視化できる「モニタリング機能」や、特定の単語発話や保留を検知する「アラート機能」により、オペレーターサポートに関する管理業務を支援する。