理化学研究所(理研)は4月7日、新型コロナウイルスの対策に貢献する成果の早期創出に向け、スーパーコンピュータ「富岳」の計算資源を開発・整備に支障がない範囲で関連研究に優先して供出することを明らかにした。

  • 富岳

    富士通の工場から理研へと出荷を待つ「富岳」のラック (編集部撮影)

富岳は2019年12月より搬入を開始、2021年度の共用開始を目指し、開発・整備が進められており、2020年度から一部ノードにて試行的利用を開始する予定。今回の決定は、共用開始前であっても、新型コロナウイルス感染被害の軽減への貢献が期待できる研究開発に富岳の計算資源を提供しようというもの。具体的な研究開発の実施課題は以下のようなものを想定しており、理研などの提案を踏まえて文部科学省が随時決定するとしている。

  1. 新型コロナウイルスの性質を明らかにする課題
  2. 新型コロナウイルスの治療薬となりえる物質を探索する課題
  3. 新型コロナウイルス診断法や治療法を向上させうる課題
  4. 新型コロナウイルスの感染拡大及びその社会経済的影響を明らかにする課題
  5. その他、新型コロナウイルスの対策に資することが想定される課題

すでに以下の4つの研究開発に富岳利用を提供する予定となっており、これらの実施課題で得られた成果は、課題実施者、関係機関などと連携しつつ、国内外に広く公開するとしている。