現金を使わず、手軽に支払えるキャッシュレス決済。多くの会社が独自のサービスを展開し、それぞれに強みを持っています。この連載「モバイル決済ミニ情報」では、主にスマートフォンを使った決済サービスにまつわる小ネタを紹介していきます。
  • 無人AI決済店舗の「TOUCH TO GO」。JR東日本スタートアップと、サインポストの合弁会社である、同名の株式会社TOUCH TO GOが運営する

無人の次世代型スマートショッピングを体験

山手線では約50年ぶりの新駅と話題の高輪ゲートウェイ駅。その駅構内に3月23日に開業した無人コンビニ「TOUCH TO GO」で、次世代型のお買い物を体験してきました(編注:メディア向け公開日の3月17日に取材しています)。

最近ではコンビニや小売店でセルフレジが増えてきました。セルフレジでは自分で商品をスキャンしますが、さらに先行くスタイルの次世代店舗が「TOUCH TO GO」です。この完全キャッシュレス店舗では、商品を手に取るだけで、勝手に合計金額を計算してくれます。そしてSuicaやPASMOなどの交通系ICで決済。実にスムーズに買い物ができます。

  • 店舗の入り口には開閉式のゲートがあるので、ひとりずつ入店します。このときにSuicaなどのカードをかざす必要はありません

  • そして欲しい商品を手に取ります。「あっこれじゃなかった」と手に取った商品を戻してもOK。商品をそのままバッグに入れてもちゃんと認識されます

  • 出口の決済スペースに入ると、タッチパネルに購入する商品が表示されます。その項目が合っていれば、「お支払い」をタッチします

  • あとはSuicaなどの交通系ICを決済端末にかざすだけ。決済が終わればゲートが開いて外に出られます

取り扱っている商品はお弁当や惣菜、菓子、飲料など約600種類。決済方法は今後、クレジットカードやその他の電子マネーにも対応していく予定だそうです。

50台のカメラで買う品物をチェック

なぜ、商品を手に取っただけで認識されるのか? その答えは、店舗の天井に設置された50台のセンサーカメラでモニタリングしているから。そのほか、棚の従量センサーや店内の赤外線センサーなどのデータを組み合わせ、どの人が何を買おうとしているかをAIが判断。その本人が決済スペースに入ると、その明細が表示されるという仕組みです。

  • 天井の多くのセンサーカメラで客の動きをモニタリング

この「TOUCH TO GO」は2017年に大宮駅で、2018年には赤羽駅で実証実験が行われました。その当時のモニタリングの精度は低く、赤羽駅では入店が3人まで。しかも体験したい人が行列を作り、時間指定の入場整理券が発行されたほどでした。

高輪ゲートウェイ駅の「TOUCH TO GO」はこの点が非常に進化しており、人数制限しなくても稼働できるというからビックリ。ただし、開業当初はある程度の混雑が予想されるので、入店人数を7~10人程度に制限して運用するとのことでした。

店舗は基本、無人ですが、バックヤードにはもちろんスタッフがいて、トラブル時には対応してくれます。店舗面積は約60毎平方メートルなので、本来なら3人程度のスタッフが必要になります。ところがキャッシュレス決済やテクノロジーの導入で、無人店舗が実現でき、省人化できます。今、コンビニなどでは夜間の人材が確保できず、24時間営業を短縮する動きも出ていますが、無人店舗が登場することで、小売店や飲食店の人材不足という問題に貢献できそうです。また、時間のかかる有人レジに並んで待つようなことも解消されるので、利用者にもうれしいですね。

高輪ゲートウェイ駅の「TOUCH TO GO」はいわばショールーム。運営会社はこの小売店舗のシステムを月額固定のサービスとして提供する予定です。この第1号店が成功すれば、今後、様々な場所で「TOUCH TO GO」の店舗を見かけるようになるかも。興味のある人はさっそく、体験してみてください。

TOUCH TO GO 店舗情報
営業時間 7時~21時(当初は6時~24時だったが、利用者数増のため3月24日から営業時間を変更)
※東京都の外出自粛要請を受け、4月4日 / 5日は臨時休業
場所 JR高輪ゲートウェイ駅2階改札内
決済方法 交通系IC
綿谷禎子

著者プロフィール
綿谷禎子

情報誌の編集部から編集プロダクションを経てフリーランスのライターに。現在は小学館発行のビジネス情報誌「DIME」を中心に、企業のオウンドメディアや情報サイトなどで幅広く執筆。生活情報サイト「All About」のガイドも務める。自称、キャッシュレスクイーン。スマホ決済や電子マネー、クレジットカード、ポイント、通信費節約などのジャンルのほか、趣味の文具や手帳の記事も手がける。