日立ソリューションズは3月30日、スイスのConsenSys(コンセンシス)の企業向けイーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン基盤「PegaSys Plus(ペガシスプラス)」について、国内初の販売代理店契約を締結し、4月1日から販売開始すると発表した。価格は個別見積もり。

PegaSys Plusは、Hyperledger Besu(企業が開発しやすいように、プライベートなコンソーシアムネットワーク)とパブリックネットワークどちらにも対応し、Proof of WorkやProof of Authorityが利用可能なJavaで実装したイーサリアムクライアント)に基づいて構築された商用ライセンスのイーサリアムクライアント。本番環境でクライアントを適切に管理できるように設計され、セキュリティ構成、イベントストリーミング、高度な監視などの追加のエンタープライズ機能を提供する。

また、ブロックチェーンの内部データベースを暗号化して保存中のデータを保護し、暗号化キーはキーストアまたはボールト(機密情報を管理するためのソフトウェア。Hashicorp Vaultなど)に安全に保持されるため、ハッカーが改ざんを試みた場合、たとえデータにアクセスできたとしても暗号で保護されているため読みとることができないという。

さらに、リアルタイムでメトリック(コンピューターネットワークにおける通信相手までのパスの距離)を監視・測定して、ネットワーク内の検証ノードの状態を表示する。ノードがブロック(取引のデータをトランザクションと呼び、そして、複数のトランザクションをまとめたものがブロック)を最後に生成したときやパフォーマンスの低下などのメトリックを測定することで、リアルタイムに状況を把握し、ビジネスに影響を与える前に問題を解決できるとしている。

加えて、ネットワークに到着したトランザクションがブロックに含まれた時、またはドロップした時など、ブロックチェーンでイベントが発生するとリアルタイムで追跡し、チームメンバーに特定のイベントを通知。ストリーミングプラットフォームを使用して、websocket(Webにおいて双方向通信を低コストで行うための仕組み、プロトコルの一種)ベースのイベントを監視し、スケーラブルで信頼性の高いイベントトラッキングを可能としている。

PegaSys Plusを活用することで、ブロックチェーンのメリットを活かした取引基盤を構築することができ、デジタル資産(使用権があるデジタル化されたデータ)の取引や金融商品のデジタル化、ポイントや電子クーポン、サプライチェーンマネージメント、所有権や履歴、または原本証明など、さまざまな分野での取引に関する業務を効率化することができるという。

日立ソリューションズは、PegaSys Plusの導入から分散型アプリケーションの開発、構築、運用、教育までをトータルに支援するソリューションとして提供していく。