ミック経済研究所が3月2日に発表した調査結果によると、国内のOCRソリューション市場は、2019年度は対前年度比7%増の422億円となる見込みであり、2020年度は同33%増の560億円になるという。分野別では従来型の汎用OCRの伸びが鈍化するものの、ディープラーニング(深層学習)などを使用するAI(人工知能) OCRが大きく伸びるとみられる。

  • OCRソリューション市場の規模推移

2018年度のOCRソリューション市場全体の規模は391.9億円であり、2019年度は2018年度と比べて7.6%増の421.8億円と堅調に推移するという。

分野別に対前年度成長率を見ると、汎用OCRソリューションは0.8%増、AI OCRソリューションは176.5%となる見込みで、成長期が続くAI OCRソリューションの伸び率が高く、OCRソリューション市場全体の伸長を押し上げているとのこと。

ソフトウエアライセンス市場は、クラウドが2019年度に5.7%を占め、対前年度比192.8%増と大きな伸びを示すという。クラウドは、すべてAI OCRソリューションが占めている。

コンサルティング・SIは、OCRソリューション市場の約55%を占める。特に、AI OCRソリューションでは2019年度は対前年度210.3%増と伸び、2020年度は同543.8%とさらに成長が加速するとのこと。SIerが、AI OCRをRPAなどソリューションに組み込み提供することが要因だと同社は見ている。

中期予測では、OCRソリューション市場全体は2023年度に2035億円に拡大し、年平均成長率は39.02%になるという。汎用OCRソリューションは、2022年度でAI OCRソリューションと市場規模が逆転し、2023年度はさらに乖離するとのこと。AI OCRソリューションは2023年度に1610億円に達し構成比は79.1%に拡大し、年平均成長率153.93%と大きく伸長するものと同社は予測する。