日本電気(NEC)は2月21日、小売業界向けにAIを活用した需要予測と、それに基づく自動発注システムを提供開始することを発表した。

  • 需要予測型自動発注システムの概要

    需要予測型自動発注システムの概要

このシステムは、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つである「異種混合学習」を活用し、天候や曜日、過去実績などのデータを元に客数と販売数を予測するもの。

牛乳や練り物など日持ちのしない日配品を対象に販売数を予測して適正量を自動発注することで、発注業務の効率化・標準化を実現し、ロスや欠品の防止に貢献するとしている。

また、同システムはリオン・ドール コーポレーションが福島県を中心に展開するスーパーマーケットに先行して採用された。導入に先立ち、複数店舗において予測モデルを用いた3カ月間のシミュレーションを実施し、人手による発注実績と比較した結果、対象製品の欠品日数6.5%改善、ロス金額25~40%低減を確認したという。

同システムは予測結果の根拠まで説明可能なホワイトボックス型AIであるため、複雑な分析についても解釈性の高い予測結果を得ることが可能だという。予測の理由が示されることで、予測の納得感が増し、問題発生時には原因解明を容易にするとしている。