クラリス・ジャパンは、日本航空(JAL)が導入したFileMaker プラットフォームのビジネス成功事例を公開した。

日本航空では、2012年よりiPadを使って「JAL CB-CT(Competency Based Crew Training)」と名付けられたパイロット訓練評価システムを運用している。これはFileMaker プラットフォームをベースに、パイロットを中心とした社内プロジェクトにより構築されたシステムで、年1回のペースでデータベースのアップデートを重ね、パイロットの能力向上を可視化できるシステムを構築し続けてきた。

日本航空は、在籍する約2,000名のパイロットに対して実施される年4回の訓練審査において、業務を約700項目に細分化し、各々の評価項目をデータとして収集している。これら評価データは、教官を務めるベテラン機長たちが前述の「JAL CB-CT」を使って審査時に入力し、データベース化を図っている。蓄積されたデータを分析し、傾向分析を行った上、パイロットに必要な能力を更に引き出せるように訓練審査に反映させることで、より良い訓練、より効果のある、実際の運航に基づいた訓練提供が実現できるようになったという。

このシステムの成功を受けて、現在では運航乗務員マニュアル閲覧システム「OWLS(Onboard Workable Library System)」も FileMaker プラットフォームでデータベース化されたとのことだ。こちらもパイロットを中心とした社内プロジェクトが起ち上がり、9万ページともいわれるパイロット用のマニュアルを、約3年間を費やして、全てをデータベース化するとともにマニュアル体系の整理・統合を行ってきた。

現在、iPadはパイロット1名に1台支給されており、すべてのマニュアルにいつでもアクセスできるのはもちろん、必要な情報を従来よりも劇的に速く、更に深い階層の情報まで容易に探せるようになった。

このほか、導入により、内製化のため社外秘の内容も守られる、マニュアル参照の所要時間の短縮化により、更なる安全への追求が可能となるなどの効果があったことなどが報告されている。

クラリス・ジャパンの公式サイトでは、本件に関する詳細なレポートが掲載されており、ビデオも視聴できる。