米ラスベガスで間もなく開幕するCES 2020の公式プレイベント、「CES Unveiled」の会場で人だかりができていたのが、glafit社の電動スクーター(電動バイク)「X-SCOOTER LOM」のプロトタイプの出展だ。両足で立ち乗りするライディングスタイルが、電動スクーターでありながらスキーのような不思議な乗り味を感じさせてくれる。

  • glafit社の電動スクーター「X-SCOOTER LOM」

    X-SCOOTER LOM

glafitは、「日本を代表する次世代乗り物メーカーになる!」ことを目指すとして、和歌山を拠点に世界へ積極展開しているスタートアップ企業。今回のCES 2020が初お披露目となる新製品「X-SCOOTER LOM」は日本国内で開発・製造され、米国にて2月から「Kickstarter」でのクラウドファンディングを行う予定だ。日本での販売は未定だが、米国展開が上々なら日本販売も視野。ただkickstarterでの購入は日本からも可能。

重心で旋回するスキーのような乗り味となる両足をステップに乗せる立ち乗りスタイルが独特で、気軽に乗り回せる。タイヤ径が10~12インチと大きめなので、段差や悪路にも強い。重量は標準バッテリ装着時で16kg強となるが、折りたためば車載は容易で、持ち手を使ってキャリーバックのように転がして持ち運びすることもできる。製品名のLOMが「Last One Mile」を指すという通り、短距離移動での使いやすさに特化している。

  • ステップに両足をそろえて立ち乗りする

  • コンパクトに折りたたみ可能。手順も本当に簡単だった

ちなみに製品のコンセプトは3つの「C」、「Compact」「Connected」「Comfortable」だといい、Connectedの部分として、スマートフォンとの連携も特徴だ。専用アプリを使って、スクーターの電源スイッチを操作できるほか、バッテリ残量や航続可能距離が見れたり、家族などとキーのシェアをする機能を利用できる。

バッテリはパナソニックと共同開発だそうで、航続距離は標準バッテリで40km、オプションの大容量バッテリを使うと60km。バッテリにはUSBポートが設けられており、ここからスマートフォンなどを充電することもできる。最高速度は時速25km。重量100kgまで運べるけん引能力も備えており、オプションで車体後部に連結できる荷台を用意しており、倉庫内で荷物を運ぶBtoB用途も想定できそう。

  • オプションの荷台

  • 荷台は見栄えもなかなかで、色々と使い勝手がよさそう

Kickstarterでの予定価格は1300ドルで、割引で900ドル程度から購入できることになるようだ。日本で乗る場合は「第一種原動機付自転車」、いわゆる原付の扱いなので、ナンバープレートと免許が必要となる。