スマートフォンを中心にIT分野で活躍するライター・石井徹さんが、2019年に買ったデジタル製品の中で満足度が高かったという「Nintendo Switch Lite」の魅力を存分に語ります。

Nintendo Switch Lite (2019年9月発売)

任天堂の大ヒットゲーム機「Nintendo Switch」。その廉価版として登場した「Nintendo Switch Lite」は、今年買ったさまざまなデジモノの中でも満足度が高い一台でした。

  • Nintendo Switch Lite

    Nintendo Switch Lite。カラーはイエローを選びました

手頃でLiteになったSwitch

Nintendo Switch Liteは税別19,980円と手頃な価格になりましたが、一方で「テレビにつなぐ機能」は省略。そして、Switchのアイデンティティーでもあった取り外せるコントローラー「Joy-Con」は本体に一体化し、別体のコントローラーとしては同梱されていません。

つまり、これまでのニンテンドー3DSに近い、携帯ゲーム機らしいフォルムになったのです。初代Switchで家でも外でも遊んでいた筆者としては、携帯ゲーム機だけでは物足りないのですが、正直に言うと可愛らしいパステルカラーに一目惚れして、衝動買いしてしまいました。

「Switchを持っているのに、2台目は必要だろうか?」と、購入当初は筆者も思いました。ところが、Switch Liteは「外で遊ぶには断然こっちがいい!」と思わせるほどに使いやすく仕上がっていました。

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    Switch(左)の特徴はJoy-Conを取り外して遊べることですが、Switch Lite(右)はコントローラーを本体に一体化しています

なによりも嬉しい「軽さ」、ボタンも操作しやすい

Switchと使い比べて一番良かった点は、軽くなったことでした。Switchの携帯モードの重さは約398g。携帯ゲーム機としては重く、普段使いのコンパクトなカバンの中では存在感がありました。長時間遊んでいると腕に疲れを感じるのもネックでした。

それがSwitch Liteでは約275gと、100g以上も軽量に。一般的なスマホよりは重いものの、両手に持って使うので腕への負担がかなり軽減されています。

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    Switch Lite(上)とSwitch(下)の比較。画面解像度はどちらも1,280×720ドットですが、Switch Liteのディスプレイのサイズは5.5型で、6.2型のSwitchよりもひと回り小さくなっています

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    Switch Lite(中央)の画面サイズはiPhone 11 Pro(右)とほぼ同じくらい

そして、ボタン配置の改善もポイント。なにより嬉しかったのが、コントローラー上部に手が届きやすくなったことでした。もともとSwitchのコントローラーは取り外して操作することを想定しているためか、携帯モードで遊ぶときは右上にある「+」や「×」などのボタンが押しづらく感じていました。

そのボタン配置がSwitch Liteではコンパクトに凝縮されて、成人男性としては小さめな手の筆者でも、手のひらで本体下部を支えつつ、親指で上の方のボタンを操作できるようになりました。

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    縦幅が狭まったことで、成人男性にしては手が小さめな筆者でもしっかりと構えて遊べるようになりました

ボタンを押したときの感触はJoy-Conよりも改善され、スティックの高さもやや低く、回しやすくなっています。さらに、Switchでは独立したボタンだった左側の方向ボタンは、Switch Liteでは「十字キー」に変更されています。Switchの有料サービス「Nintendo Switch Online」の特典のファミコンやスーファミのゲームを遊ぶとき、実機のコントローラーに近い感覚で遊べるので、レトロゲームが好きな方にはSwitch Liteがオススメです。

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    Switch Liteの左側。スティックの高さがやや低くなり、ボタンの押し心地も改善されています

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    Switch Liteの右側

Switch Liteの弱点にも思えた、コントローラーが外れない仕様も、携帯モードで遊ぶときの不便さを解消していることに気付きました。

筆者は、Switchでアクションシューティングゲーム『スプラトゥーン2』などのコントローラー操作が激しいゲームを遊んでいるとき、たまにコントローラーを本体から外してしまうことがありました。Switch Liteでは本体と一体化しているために、うっかりコントローラーが外れる事故は起きません。

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    Switch Liteの背面はすっきりとした構成。電源・音量ボタンやmicroSDスロット/ゲームカードスロットの配置はSwitchと共通ですが、ポップアップスタンド機能は省かれています

Switch Liteでできること/できないこと

Switch Liteは“廉価版”という位置づけのため、Switchと比べるとできることに差があります。意外と大きいのが「テレビ出力」ができないこと。これはSwitchのように付属のドックが同梱されないだけではなく、別途アダプターを用意してもテレビ出力はできないという点で、大きな差があります。細かな描き込みが魅力のゲームを遊びたいなら、テレビと組み合わせて大画面でも遊べるSwitchがオススメです。

前述したとおり、Switch LiteにはJoy-Conが付属しないため、HD振動や赤外線センサーが利用できません。『リングフィットアドベンチャー』のようなJoy-Conを必要とするゲームでは、別売のJoy-Con(税別7,480円)とJoy-Con充電グリップ(税別2,480円)を買い足す必要があり、Switch Liteの本体代金と合わせると上位機のSwitchとの価格差がほぼなくなってしまいます。Joy-Conが必要なゲームを遊びたいなら、Switchを選んだほうがよいでしょう。

『ポケットモンスター ソード・シールド』(以下、ポケモン)のほか、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、ゼルダ BotW)や、『スプラトゥーン2』、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラ)といったゲームは、携帯モードだけで遊べるようになっています。

ただし、ゼルダ BotWはアイテムや操作パネルの表示が細かくなるため、できれば大画面のテレビで遊んだ方が楽しめます。スプラトゥーン2やスマブラでは別売のコントローラーを用意した方が操作しやすいかもしれません。

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    テレビに映し出す想定で開発された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』などのゲームは、Switch Liteでは細かい文字が読みにくいかもしれません。Switch Liteのズーム機能を使えば拡大して表示できます

Switch Lite単体ではJoy-ConがないのでHD振動が利用できませんが、ゼルダ BotWやスプラトゥーン2などのゲームは動きを表現するためにHD振動を使っており、Switchで遊び慣れた人にはこれがないと物足りなく感じるかもしれません。

さらに、ゲームによっては注意が必要なのが、セーブデータの扱いです。Switchシリーズにはニンテンドーアカウントを通じてセーブデータを同期する機能がありますが、スプラトゥーン2やポケモンのような通信機能を多用するゲームでは、この同期機能が使えません。

Switch Liteは最高の「携帯ゲーム機」だ!

Switch LiteはSwitchと比べてできないことが多い、と感じられたかもしれませんが、筆者はSwitchゲームを携帯モードで遊ぶなら、断然「Switch Liteが良い」と思います。

冒頭で説明した通り、Switch Liteの持ちやすさと操作感は、Switchを大きく上回っています。特に、携帯モードで何時間も熱中して遊ぶ筆者にとっては、本体が軽くなったことで遊んだ後の疲労感が軽減されました。コントローラーが外れないことも、激しくアクションするゲームを携帯モードで遊ぶ人にとっては安心できるポイントです。

Switch Liteを「廉価版Switch」と考えると、機能差が価格差に見合わないように思うかもしれませんが、大画面スマホ並みの5.5型画面を備えた「携帯ゲーム機」と捉え直すと、その価値が見えてくるのではないでしょうか。Switch Liteは操作性や遊べるゲームの充実度も踏まえると、現代の携帯ゲーム機としては最良の1台に仕上がっていると思います。

製品のラブ度 ★★★★★ (キュートなデザインで持ちやすさ最高)
製品のオススメ度 ★★★★☆(初めて買うなら「Switch」の方がいいかも)
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【石井徹 プロフィール】モバイルが専門のフリーライター。スマホを中心に5GやAIなど最新技術を幅広く取材する。スマホ購入履歴は100台以上。3キャリアのスマホを契約し、どこでも通信環境を確保できるよう心がけている。