キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は11月29日、2019年10月のマルウェア検出状況に関する最新のレポートを公開した。今回、偽の当選画面を表示させるdocファイル「DOC/Fraud」は世界中で急増し日本は最も多く検出されたという。

同社のサイバーセキュリティに関する研究を担うマルウェアラボは、国内で利用されているウイルス対策ソフトウェア「ESETセキュリティ ソフトウェア シリーズ」のマルウェア検出データを基に、2019年10月のマルウェア検出状況を分析し最新のレポートを公開した。

  • 国内マルウェア検出数の推移

    国内マルウェア検出数の推移

2019年10月は詐欺サイトへのリンクが埋め込まれたdocファイル「DOC/Fraud」の検出が急増し、世界全体の検出数のうち日本は最多の約26%を占めている。同社のマルウェアラボの調査では、偽の当選画面が表示されるファイルが確認され、注意喚起を行っている。

また、ファイルを開く際に特定の企業を識別できる情報が送信されており、docファイルを開くことで別の攻撃の標的として狙われる可能性が考えられるという。

一時的に活動を停止していたEmotetの感染を狙った攻撃は8月後半から活動を再開し、10月には世界中で多数確認され日本国内でもEmotetの感染被害が報告されている。Emotetは主に別のマルウェアを配布するダウンローダーとして使われ、例えばTrickbotやUrsnifなどのバンキングマルウェアやランサムウェアなどに感染させる。レポートではキヤノンMJマルウェアラボによるEmotetの調査・分析結果と対策を解説している。