パナソニックは11月28日、同日付の取締役会決議により、同社の半導体事業を、台湾Winbond傘下のNuvotonに譲渡することを決定したと発表した。

決定の内容は、パナソニック株式会社100%出資の連結子会社であるパナソニック出資管理合同会社(以下PEMJ)の100%出資連結子会社であるパナソニック セミコンダクターソリューションズ株式会社(以下PSCS)を中心にしている半導体事業を、台湾の半導体企業であるWinbond Electronics Corporation傘下のNuvoton Technology Corporationに譲渡、ならびに同社との間で株式資産譲渡契約を締結するというもの。

  • 本件譲渡による資本関係の変化

パナソニックの半導体事業は1957年、フィリップス社との合弁で設立した松下電子工業 高槻工場においてはじまった。1993年にはフィリップス社との合弁を解消し、松下電子工業は松下電器産業の100%子会社に。パナソニックの半導体事業としてその後の変遷を経て、直近の過去数年は、AV分野から車載・産業分野へのシフト、イメージセンサをはじめとする空間認識技術と、パワーマネジメントICやリチウムイオン電池保護回路用MOSFETなどの電池応用技術を注力分野と位置付け、リソースを集中することで成長を図っていた。

Nuvotonへの譲渡は、半導体事業の競争環境が熾烈を極める中で、成長拡大には継続した巨額の投資が不可欠であることと、その状況下で、Nuvotonがパナソニックの半導体事業が蓄積してきた技術力、商品力を高く評価したことから、事業成長のために最善の選択と判断し決定したとしている。

本件譲渡は2020年6月1日を効力発生日とし、PEMJがPSCSの全株式をNuvotonに譲渡する。パナソニックでは譲渡の前に、同社および同社子会社が保有する半導体事業関連の知的財産権および契約の一部、ならびに同社が保有する半導体事業関連資産・負債の一部を、PSCSに継承すると説明している。