TISは11月26日、アクセンチュアなどと共同で、自治体などで発行・管理する住民IDを起点に多様な決済が可能となる決済プラットフォームの実現に向けた実証研究を、福島県会津若松市の竹田健康財団竹田綜合病院において、2020年1月6日から1月31日まで実施すると発表した。

  • 実証研究のシステム構成

同実証研究で使用する「ID決済プラットフォーム」は、将来的には住民IDと多種多様な決済手段を関連付けて、医療費などの支払いに対する手当て支給や地域店舗利用に対するキャッシュバックを行うなど、多様なデータ利活用が可能な基盤としてサービス展開を目指すもの。

また、会津若松市の市民向けコミュニケーションポータルである「会津若松+(プラス)」にログインすることで、同病院の利用者自身があらかじめ登録した決済手段で決済が行えるウォレット機能のスマートフォンアプリを使ったID決済を運用する。

なお同実証研究は、内閣府が実施し新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)が管理法人を務める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術/スマートシティ実証研究」において「利用者へのデリバリーを意識した都市OSの開発及び実証研究」としての採択を受け、実証研究成果はスマートシティ分野のアーキテクチャ構築に反映するという。

住民IDを起点に決済が可能というID決済プラットフォームの利用により、「支払いに関する行政手続きをワンストップでできる」「複数の決済手段を利用者が一元的に管理したり使い分けしたりできる」などのサービスの実現を目指す。

また、ID決済プラットフォームと交通や流通などの各種サービスを接続することで、これらのシーンでも住民IDの提示のみで決済が行え、データの利活用によるサービスの高度化が期待できるとしている。

なお同実証研究は、スマートシティ実現を通して社会課題解決に取り組む同社の施策の一環といい、会津若松市でスマートシティ化に取り組むアクセンチュアと協力して進めていくとのことだ。

さらに、ID決済プラットフォームでは、共通化した都市基本機能を集積した「都市OS」との将来的な連動も想定しているという。