日本テラデータは11月20日、都内で10月末に米コロラド州デンバーで開催された「Teradata Universe 2019」において発表した新製品・サービスについて、改めて説明会を開催した。

Terada Universe 2019では「Vantage on Google Cloud Platform(GCP)」「Consumption(Pay as You Go) Pricing」「Native Support for Low Cost Storage」「Hadoop Migration Service」「Vantage Analyst」「Vantage Customer Experience(CX)」の6つを発表し、いずれも次世代アナリティクスプラットフォーム「Teradata Vantage」に付随したサービス。

Vantage on GCPは、主要パブリッククラウドであるGCPで提供し、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureも含めたパブリッククラウドの選択が可能になった。アプリケーションの変更なしに移行でき、各クラウド上のネイティブサービスの利用を可能とし、ハイブリッド・マルチクラウドで構成できるという。2020年のリリースを予定している。

  • 「Vantage on Google Cloud Platform(GCP)」の概要

    「Vantage on Google Cloud Platform(GCP)」の概要

Consumption Pricingは従量課金モデルであり、クラウドのコンピューティングリソース、ストレージの利用量に応じてライセンス提供し、想定ユースケースとしてはテスト・開発などを想定しており、2020年第1四半期にリリースを予定。

  • 「Consumption(Pay as You Go) Pricing」」の概要

    「Consumption(Pay as You Go) Pricing」の概要

2020年第2四半期にリリース予定のNative Support for Low Cost Storageは、追加ライセンスが不要であり、Amazon S3やMicrosoft Azure Blob Storageをはじめとしたオブジェクトストレージにネイティブで接続。低コストかつ管理を容易とし、無制限の拡張性を備え、NOSのデータに対してクエリが実行可能であり、データレイク上のデータを含む、すべてのデータの分析ができるという。将来的にはGoogle Cloud Storageにも対応を予定している。

  • 「Native Support for Low Cost Storage」の概要

    「Native Support for Low Cost Storage」の概要

Hadoop Migration Serviceは、すでにリリースしており、Hadoopプラットフォームアセスメントサービス、Hadoopマイグレーションプランニングサービス、Hadoopマイグレーションインプリメントサービスの3つで構成。Hadoopで実行している分析プロセスと価値あるデータをHadoopから切り離し、Vantageに移行することに加え、価値の低いデータのストレージとしてHadoopの利用を最小化。また、Hadoopを分析エコシステムから切り離し、価値の低いデータは低コストはオブジェクトストレージに移行するというものだ。

  • 「Hadoop Migration Service」の概要

    「Hadoop Migration Service」の概要

Vantage Analystは、6つのモジュールで構成し、AppCenterにアナリスト向けの分析アプリを実装することで、セルフサービスで高度な分析がVantage上で実行が可能で、マシンラーニングをコーディングなしで実行できる、11月から順次提供を開始する。

ふるまいやイベントなどのデータを時系列に並べ、そのパターンからインサイトを獲得する「Path分析」(リリース済)、予測モデルの構築、トレーニング、評価を行う「モデル」(同)、一連の分析を自動で実行するためのワークフローが設計できる「ワークフロー」(同)、テキストデータから感情、関連用語などを抽出する「テキスト分析(2019年第4四半期にリリース予定)」、行動や特性に基づいてデータをセグメントする「クラスタ分析」(同)、新しいデータ、分析をセルフサービスで検証可能な「Lab」(2020年上半期中に一部切り出しの機能と統合予定)の機能を有している。同サービスはVantageに含まれる。

  • 「Vantage Analyst」の概要

    「Vantage Analyst」の概要

Vantage CXは、クラウドベースのカスタマーデータプラットフォーム(CDP)であり、顧客ごとにビューを統合し、アナリティクス機能を利用することで顧客のデータをインサイトに変え、マーケティングツールや顧客エンゲージメントシステムなど、複数のシステム・チャネルを横断してメッセージを調整することで、インサイトを行動に変えることを可能としている。

また、Vantage Analystの各機能を活用して分析でき、さまざまなデータをConneted IDでつなぎ、顧客インタラクションの全体像を可視化することに加え、API、SFTPによりSalesforce、Adobeなどと連携できる。提供開始は2020年第1四半期を予定し、Vantageのオプションとして提供する。

  • 「Vantage Customer Experience」の概要

    「Vantage Customer Experience」の概要

日本におけるビジネス概況

日本のビジネスについて、日本テラデータ 代表取締役社長の高橋倫二氏は「非常に堅調に推移している。売り上げは2桁の成長率であり、Vantageも昨年末の発表以来、提供開始から導入企業は2桁となった」と、振り返る。

  • 日本テラデータ 代表取締役社長の高橋倫二氏

    日本テラデータ 代表取締役社長の高橋倫二氏

Vantageの導入に関しては既存だけでなく、新規ユーザーも含まれるという。同社では、ここ数年間で買い取り型からサブスクリプション型に転換しているが、サブスクリプション型のビジネスへの移行も順調に進み、契約の大半がサブスクリプションに移行している。

高橋氏は「サブスクリプションの増加は将来的なビジネスの成長に寄与できるものだと確信している」と強調し、クラウドを検討・選択する顧客も拡大しているという。今後、パートナービジネスの強化に加え、社内のデータサイエンティスト育成をはじめとしたコンサルティングを強化していく方針を示していた。

  • 日本におけるビジネスの概況