リコーは11月19日、360度カメラの新製品「THETA SC2」を発表した。THETAシリーズの入門機という位置づけの製品。伝統のスティック型ボディーを継承しながら、4K画質の全天球動画撮影機能を搭載したほか、人物の顔をきれいに仕上げる撮影モードを追加するなど、機能を高めた。

価格はオープンで、予想実売価格は税込み3万6800円前後。発売は12月13日の予定。

  • リコーが360度カメラの新製品「THETA SC2」を発表。伝統のスティック型ボディーを継承した

2016年10月に発売した「THETA SC」の後継モデル。撮像素子と画像処理エンジンを一新し、オート撮影時の画質を高めたほか、上位機種「THETA V」などと同じ4K/30fpsの動画撮影機能も搭載した(最大3分間)。

  • 本体デザインは従来と同じだが、新たに情報表示用の小型有機ELパネルを搭載した

  • 底面のUSB端子はmicroUSBで、昨今主流のUSB Type-Cの採用は見送られた

特定の被写体やシーンでベストな仕上がりで撮れる撮影モードは、人物の顔を検出した場合に顔をきれいに仕上げる露出やホワイトバランスにし、さらに人物を画像の中心に配置する「顔モード」、画像合成によるノイズ低減やダイナミックレンジ補正できれいに撮影する「夜景モード」、2つのレンズを独立に制御して社内外や舞台など明暗差の大きなシーンで見た目に忠実に撮影する「車窓モード」の3つを追加した。

  • 顔モードを適用しない場合の作例。人物の顔はやや露出アンダーのうえ、色もやや青っぽい

  • 顔モードを適用した作例。人物の顔を基準に露出やホワイトバランスが決められ、健康的で好ましい仕上がりになった

  • 車窓モードでは、露出アンダーになりやすい車内と露出オーバーになりやすい車外を両方とも見た目に忠実に撮影できる

ワイヤレス機能は、従来のWi-Fiに加えて新たにBluetoothを搭載し、スマホとの常時接続を可能にした。カメラがスリープ状態になっていても、アプリからカメラの電源をオンにできる。撮影した動画の天頂補正をスマホでの再生時に実行するように変更し、カメラからスマホへの動画転送時間を従来の約1/4に短縮した。

スマホの内蔵カメラで撮影した写真と、THETAで撮影した360度写真をスマホアプリ内で合成し、画像をタップすると全天球写真がアニメーションとして再生される新機能「アニメーションフォト」も搭載した。iPhoneやiPad版のアプリでは、Live Photos(ライブフォト)として再生や共有ができる。アニメーションフォトの提供は2020年春の予定。

本体下部には、ステータスやバッテリー残量などを表示する小型の有機ELパネルを搭載したほか、側面にはセルフタイマーボタンを搭載した。

カラーバリエーションはピンク、ブルー、ベージュ、ホワイトの4色。いずれも、光沢感のあるネイルカラーに仕上げた。防水性能や耐衝撃性能は備えない。

  • 左からピンク、ブルー、ベージュ、ホワイトのカラー

記録媒体は内蔵メモリー(約14GB)で、SDメモリーカードなどの外部メディアには対応しない。外部端子はmicroUSB。バッテリー寿命は、写真撮影が約260枚、動画撮影が約60分。本体サイズはW45.2×H130.6×D22.9mm、重さは約104g。