LGエレクトロニクス・ジャパンは11月12日、デュアルディスプレイを備えた「LG G8X ThinQ(じーえいとえっくす しんきゅう)」の製品発表会を開催しました。約6.4インチの有機ELディスプレイを2画面同時に使えるユニークな仕上がりです。実際には、どんな使い方ができるのでしょうか? 発表会では『2画面ならでは』のユースケースがいくつも紹介されました。

  • LGエレクトロニクス・ジャパンの「LG G8X ThinQ」。ソフトバンクから12月上旬に発売されることが決まっています

2画面スマホ、どんな使い方ができる?

LG G8X ThinQは、デュアルディスプレイでありながら、実は約6.4インチの単体でも起動するスマートフォン。専用ケースに装着すると、ケースに搭載された画面が点灯し、デュアルディスプレイ環境が実現する仕様です。つまり、使いたいときだけ2画面にできるというわけ。競合他社の“2画面スマホ”とは発想が違いますね。

  • 画面を閉じた様子。時刻が表示されています

  • ウラから見たところ。デュアルカメラが確認できます

  • 横から見ると、それなりに厚さ(15mm)があります

専用ケースにはUSB Type-Cで接続します。ケースのディスプレイの電源は、スマホ本体から給電される仕組みです。

  • スマホ単体でも高スペックなモデル。下り最大988Mbpsで通信でき、CPUはオクタコア、RAMは6GB、バッテリー容量は4,000mAhです

  • 専用ケースはバッテリー非搭載

  • スマホ本体を接続後、スマホから給電される形でディスプレイが点灯します。6.4インチのディスプレイが2つ横に並ぶと、さすがに迫力があります

専用ケースは軽い印象。カタログではスマホ単体の重さは約193g、ケース装着時の重さは約331gとなっていました。これを軽いと思うか、重いと思うかは人それぞれですね。ついつい比べてしまいますが、他社のGalaxy Foldは7.3インチで重さが約276gでした。

  • 専用ケース装着後のLG G8X ThinQは、専用のアダプタで充電する設計です

発表会に登壇した、LGエレクトロニクス・ジャパンの李栄彩氏は「(LG G8X ThinQは)これまでになかったカテゴリーの製品です。ユーザーにより新しい使い方が開拓され、可能性が無限大に広がっていくことでしょう」とアピールしました。ちなみに韓国では2019年4月、世界初となる5G対応スマホとしてLG G8X ThinQのベース機である「LG V 50 ThinQ」が発売されましたが、予想を上回る販売台数を記録し、すでに高い評価を得ているそうです。

続いて、モバイルコミュニケーションプロダクトチームの金希哲氏が登壇し、具体的な使い方を紹介していきました。

「過去にもさまざまなメーカーから2画面スマホが発売されてきました。でも大きい、重い、厚くて持つのが大変、ニッチすぎて使い方が分からない、価格が高いといった声があった。ギークなユーザーは飛びついたものの、スマホ市場で成功を収めたモデルはあったでしょうか」と金氏。そこでLGでは今回、対応するアプリを増やし、また便利な使用例を積極的に紹介していく考えです。

  • LGエレクトロニクス・ジャパン 代表取締役の李栄彩氏(左)と、モバイルコミュニケーションプロダクトチーム長の金希哲氏(右)

  • デュアルスクリーンの設定画面

  • 「画面を入れ替え」「隣から画面を移動」「デュアルスクリーンOFF」などが自由に行えます

金氏は「例えば、YouTubeを見ているときにLINEのメッセージが届くことがあるでしょう。これまでなら動画の再生を止めて、メッセージを確認して、返信する作業が必要でした。でも2画面あれば、片方で動画を流しつつ、もう片方で返信できます」とユースケースを紹介。なるほど、よりPCの使い方に近づけそうな予感です。

  • 写真はGoogleマップとTwitterを同時に使っている様子。デュアルタスクの“ながら作業”がはかどりそうです

さらに、「お目当ての商品をショッピングサイトで確認するときも、サイトごとの値段を両画面で確認できます」と金氏。最新の株式情報を把握したい層に向けて、ポートフォリオを見ながら瞬時の売り買いが実現できる、といった使い方も紹介しました。ビジネスシーンでは、オフィス文書を閲覧しながら、その内容についてコメントするメールを作成することもできそうですね。

  • ヤフーと楽天で、探している商品の価格を比較するなんて使い方も可能

ゲームにおいても、ユニークな使い方ができそう。金氏は『ポケモンGO』と『ドラゴンクエストウォーク』の同時プレイができると説明しました(記者団爆笑)。このほか片方にゲーム画面、片方にコントローラーを表示させれば、レースゲーム、格闘ゲームなども快適にプレイできるとのこと。従来ありがちだった「コントローラを操作する自分の手で画面が見えない」なんて不満からも解消されます。

  • 格闘ゲーム『ストリートファイター』も、まるでゲーム専用機のように快適にプレイできました

ポータルサイトでニュースをチェックするとき、本文にアクセスして、戻って、を繰り返している人も多いことでしょう。LG G8X ThinQなら、見だしのページを左に、タッチした先のページを右の画面に映し出すことが可能。この使い方なら、情報収集もスムーズに行えそうです。

  • マイナビニュースで使ってみると、こんな感じ

電子書籍も2画面で表示できるため、例えば漫画コンテンツを閲覧するとき、まるで実際のコミックを読んでいるような感覚が味わえます。

  • 漫画もこの通り。見開き2ページを使った迫力のシーンも楽しめます

ちなみにソフトバンクでは「バスケットLIVE」アプリを提供予定。選手のプレイを違うアングルからリアルタイムでチェックしたり、映像を見ながら別画面でスタッツを確認したり、あるいは別会場の試合を同時に視聴したり、といった使い方が実現される見込みです。

  • アップデートにより、ソフトバンクの「バスケットLIVE」アプリが2画面に対応予定

「趣味、志向は人によってさまざまですが、消費者それぞれに合った使い方ができるのがLG G8X ThinQの魅力です」と金氏。韓国ではLG V 50 ThinQについて、発売前は消費者の多くが関心を示さなかったものの、発売後は圧倒的な高評価に変わったと説明します。

その理由として「韓国では5Gの便利さを消費者に分かりやすく伝えるため、5Gサービスに最適なモデルとしてLG V 50 ThinQが紹介され、大きな反響を得たという背景があります」と説明。それを踏まえて「日本市場でも今後、来年の5G商用化に向けて新しいサービスがどんどん出てくることでしょう。そこで使い方が自由自在なLG G8X ThinQを訴求していけたら幸いです」と期待感を口にしていました。