NECは10月31日、AI活用プラットフォーム「NEC Advanced Analytics Platform」(AAPF)において、利用目的ごとの柔軟なAI環境構築機能および、分析モデルの評価支援機能を強化すると発表した。同プラットフォームはAI技術群「NEC the WISE」の「異種混合学習」「RAPID機械学習」「テキスト含意認識」を搭載し、AIの検証から導入、活用までをトータルに支援する。

  • 「NEC Advanced Analytics Platform Modeler」の概要

    「NEC Advanced Analytics Platform Modeler」の概要

今回、AAPFにKubernetesを取り入れたアーキテクチャを採用することで、時系列分析やテキスト分析、画像分析など、利用目的ごとに柔軟にAI環境を構築できるプラットフォームを実現し、2020年1月から提供を開始する。これにより、多様なAI環境をより簡単かつ迅速に構築、運用できるようになるという。

さらに、データサイエンティストと業務専門家が双方の知見にもとづいて分析モデルを評価することを支援し、AIの円滑な業務適用を実現する機能「NEC Advanced Analytics Platform Modeler」(AAPF Modeler)を2020年4月から提供を開始。同機能により、業務に適用できる分析モデルをより迅速に作成できるとしている。

各フェーズでの強化ポイントとして、検証フェーズ(環境の構築と管理)では時系列分析やテキスト分析、画像分析など、各種用途に合わせた標準的な環境構成がコンテナイメージとしてあらかじめ用意。各環境はNEC the WISEとグローバルで標準的に使われているOSSとの組み合わせで構成されており、データサイエンティストは環境構成の種別を選択するだけで分析を始めることができ、チームで円滑に協働できるという。

検証~導入フェーズ(分析モデルの評価)については、AAPF ModelerでWeb UIを用いて分析モデルの評価をデータサイエンティストと業務専門家がインタラクティブに行えるようになり、業務に適用できる分析モデルを迅速に作成できるようになることで、分析モデルの評価期間を最大50%削減することを可能としている。

導入~活用フェーズ(複数の処理やユーザー間での共有利用)に関しては処理やユーザーごとにリソース割当を制御できるようになり、サーバのリソースが限られていてもAAPFを共有利用することが容易になるという。例えば、ユーザーごとに必要最低限のCPUやメモリを確保して多人数で利用し、AI人材育成のための環境として活用することも可能とし、同社グループでは同プラットフォームをAI人材育成環境として4500人以上に常時提供している。