米国東部時間2019年10月2日10時(日本は同日23時)から、Surface Eventがニューヨークで開催される予定。先日、MicrosoftでCPO(Chief Product Officer)を務めるPanos Panay氏のツイートにて、ライブストリーミングページを用意することが明らかになった。
本稿執筆時点で明確な情報は存在しないが、リーク情報などを元にした噂を整理すると、以下のようになる。
- AMD CPU搭載Surface Laptop
- ARM CPU搭載Surface
- USB-C対応、Intel CPU搭載Surface Pro
- Intel Core m3搭載Surface Go
ユーザーの選択肢が増えるのは歓迎で、注目したいのはARM搭載Surfaceだ。すでにレノボ・ジャパンがSnapdragon 850を搭載した「Yoga C630」を市場に投入しているものの、Win32アプリのパフォーマンスなども相まって、後を追いかけるPCベンダーは多くない。ARM版Windows 10は、ほぼ1日というバッテリー駆動時間を誇り、発表した2017年秋にMicrosoftは「革命をもたらす」とも語っている。PCを常に携行するユーザーには魅力的な存在だろう。
MicrosoftはARM版Windows 10への投資を続けており、米国時間2019年9月11日にリリースしたWindows 10 Insider Preview ビルド 18980では、WSL(Windows Subsystem for Linux)2でARM64のサポートを追加したばかり。以前のビルドでも、Windows Defender Credential GuardのARM64サポートを加えており、開発者や法人企業での利用に向けた改良を続けている。
これらWindows 10 Insider Previewは2020年前半の市場投入を予定している点と、2in1 PC市場を作り上げたSurfaceが新たな市場を開拓しようとする意図を感じる現状を踏まえると、このタイミングでMicrosoftがARM搭載Surfaceを投入する可能性は高いといってよいだろう。そこで気になるのは、2019年前半にMicrosoft社内で公開したと噂の、Centaurus(ケンタウルス)の存在だ。
Centaurusは、デュアルスクリーンや折りたたみ型タブレットとなる新Surfaceとして注目を集めているが、当初から2020年後半のリリースといわれてきた。合わせて、Centaurusに最適化したWindows Liteに関する進捗も、OEMベンダーとの協力開発の域を出ていないため、今回のSurfaceイベントでお披露目されることはないだろう。個人的には試作機を手にしたPanay氏を目にしたいのだが……。
The Vergeの記事によれば、登壇予定者としてPanay氏のほかにMicrosoft CEOのSatya Nadella氏の名前が並んでいるという。Surfaceシリーズは、個人でも使えるがメインターゲットはビジネスユーザーだ。Nadella氏の登壇によって、Surfaceと連携するサービスの発表も可能性が高い。今年のSurface Eventは新しいSurfaceデバイス群にとどまらず、良い意味で我々を裏切ってくれそうだ。
阿久津良和(Cactus)