「ワンショット連続撮影」に次世代機の片鱗を見た
ジツは、RX100M7には秘密裏に特殊な任務が与えられている……と妄想の世界で生きている私は考えている。そのことを言葉少なに示している新機能が「ワンショット連続撮影」だ。90コマ/秒、60コマ/秒、30コマ/秒の高速撮影ができる機能で、ピントと露出は1コマ目に固定もフル画素(2010万画素)でRAW記録だけじゃなくカメラ内JPEG生成も可能な、普通の撮影と変わらぬ感覚で使える「連続写真撮影機能」である。
1回の撮影で撮れるのは7コマ。でも、7コマのワンショット連続撮影を連続して行う(シャッターボタンを押し直して繰り返し撮る)ことはできる。実際にやってみると、書き込み待ちが100コマに達するまでは繰り返し撮影が可能であるようだ。撮るモノにもよるけれど、想像以上に扱いやすい印象であり、今まで撮ることが困難だったもの(瞬間)がより簡便に撮れるようになっている。いや、コイツはナニゲにスゴいっすよ。使ってみりゃわかります。
で、私は思った。RX100M7の「ワンショット連続撮影」って、「α9 II」(仮称)に搭載される同種新機能の“生きるティザー広告”になっているんじゃないか、と。その前フリとして、「M7」のスペックにはα9の影が色濃く投影されているというワケだ。そうだ、そうに違いないっ(←妄想が思い込みに悪化)。
2020年に日本の首都で行われる大きなイベントでα9後継機の存在感をこれまで以上のインパクトで示すつもりなら、一眼レフをはるかに凌駕する新機能の搭載は必須だ。「ワンショット連続撮影」は、そのひとつに十分なり得ると感じた次第である。
RX100M7では「7コマ」縛りがある1回あたりの撮影枚数は、α9後継機でも15コマぐらいあれば十分かな。「7コマ」でも不思議とそれで足りないと感じることはなく、逆に撮影時に撮影者が自らシャッターチャンスをしっかり見極める必要があるところに、乾坤一擲の爽快感というか、やり甲斐というか、「動画から切り出しゃいいっしょ」的などこか他人まかせにも感じられるアプローチとは真逆の、まさしく「写真を撮る醍醐味」そのものが色濃くしっかり残っているように感じられたからだ。これが狙った使い心地なのか、結果として偶然そうなったものなのかはわからないけれど、けっこうイイ線を突いている手応えなのである。
使用シチュエーションはそれなりに限られると思う。でも、「写真を撮る感覚そのままで扱える90コマ/秒」がα9後継機で実現されれば、フルサイズミラーレスαのスポーツ写真界隈における存在感は、現在とはまたひと味違ったものになるだろう。ソニーがそれを狙っていないはずがない。
さて、RX100M6ユーザーの私は、今回の試用を通じてRX100M7が欲しくなることはなかった。動体へのAFの追従性とか電子シャッターゆがみに関し、「M6」からの劇的な進化はないと判断したからだ。でも、フォーカスエリア枠が格段に見やすくなっていたり、測距点の循環選択ができるようになっていたり、リアルタイム瞳AFが動物や動画にも対応するなど、羨ましく感じるところも多数。このあたりはファームアップでナンとかしてもらえませんかねぇ……というのがM6ユーザーとしてのホンネではあるのだけど、その一方でRX100M7のシューティンググリップキットがナニゲに欲しくなっちゃってる点にはある種の危うさを感じていたりする。おっと、これはシューティンググリップキット欲しさにRX100M7に手を出してしまうという最悪なパターンが発症する前兆現象かぁ~?? 乞うご期待!!(ナニに?)