キヤノンは8月28日、APS-CサイズのCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ「EOS 90D」を発表した。画素数を有効3250万画素にまで高めるとともに、ファインダー撮影時でも顔認識でオートフォーカスが働くように改良した。連写性能をファインダー撮影時とライブビュー撮影時の両方で高めたほか、クロップなしの4K動画撮影にも対応。野生動物やスポーツなどを望遠でズバズバ撮影したいと考える趣味層に訴求する。

実売価格は、ボディー単体モデルが税別15万円前後、標準ズームレンズ「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」が付属するEF-S18-135 IS USMレンズキットが税別20万円前後。発売は9月中旬の予定。

  • APS-C一眼レフEOSの高性能モデル「EOS 90D」。ファインダー撮影時の撮影性能が高まったほか、ライブビュー撮影や動画撮影の性能も向上している

EOS 90Dのおもな特徴は以下の通り。

  • 有効3250万画素の高画素APS-C型CMOSセンサー
  • 画像エンジンは最新のDIGIC 8
  • 感度は最高ISO25600(拡張時はISO51200)
  • EOSの上位機種と同等のシャッターボタンの機構
  • 最高1/16000秒の電子シャッター
  • AEAF追従の連写を秒10コマ(ファインダー撮影時)、秒7コマ(ライブビュー撮影時)に高速化
  • 22万画素のAE(測光)センサー搭載で、ファインダー撮影時も顔検出AFに対応
  • 像面位相差AFのエリアを横88%×縦100%に拡大
  • ライブビュー時はサーボAF対応の瞳AFに対応
  • クロップなしの4K動画撮影(30p、25p)
  • 背面にジョイスティック型のマルチコントローラーを新設
  • SDカードスロットはUHS-IIに対応
  • EOS 80Dから約30gの軽量化
  • 防塵防滴構造のボディ

キヤノンが「APS-C一眼レフの完成形」と位置づける高性能モデル。画素数を有効3250万画素に高め、トリミングしても十分な画素数が保たれるようにし、野生動物やスポーツなど遠くにある被写体の撮影に最適とする。

  • シャッターボタンは上位機種と同じ構造とし、絶妙な押し具合でレリーズできるようにした

AE(測光)センサーを約22万画素の高画素タイプとしたことで、人物の顔検出に対応。ファインダー撮影でも、顔に近い部分のAFポイントに合わせる「EOS iTR AF(顔優先)」に対応した。

デュアルピクセルCMOS AFは、像面位相差AFのエリアを横88%×縦100%に拡大。新たに、サーボAFと動画サーボAFで瞳AFが可能になった。

シャッターボタンの感触は上位機種と同等に

操作性では、EOSの上位機種と同等のシャッターボタンの機構を採用。半押しと全押しで明確なクリック感がなく、押す強さで両者が切り替わる構造のため、最小限の指の動きでレリーズできるようにした。背面には、ジョイスティック型のマルチコントローラーを追加した。

  • 背面にジョイスティック型のマルチコントローラーを追加

  • 本体上部のボタン配置や液晶パネルはEOS 80Dとほぼ同等

  • 左側面は各種端子類を搭載

  • SDカードスロットはUHS-IIに対応した

4K動画撮影は、待望のクロップなしでの画角に対応(クロップありも選択可能)。フルHDならば120p/100pのハイフレームレート撮影に対応する。

本体サイズはW140.7×H104.8×D76.8mm、重さは約701g(メモリーカード、バッテリー含む)。

  • バッテリーグリップはEOS 80Dと同じBG-E14が使える