シチズン時計が10月下旬に発売を予定しているのは、発表以来、大きな注目を集めているスマートウォッチ「Eco-Drive Riiiver」です。
Eco-Drive Riiiver最大の特徴は、機能を自分でカスタマイズできること。しかも、シチズンの光発電技術エコ・ドライブにも対応しており、ケーブルをつないでの充電が不要! メディア向けのワークショップで実際に製品を試用し、機能をカスタマイズする体験をしてきました。
スマートウォッチなのに充電不要という安心感
Eco-Drive Riiiverは、Bluetoothでスマートフォンと連携するアナログタイプのスマートウォッチです。ステンレススチールのケースは直径が43.2mm、厚さは12.6mm。風防には無反射コーティングされたサファイヤガラスを採用し、10気圧の防水性能も搭載しています。
とってもうれしいポイントは、Eco-Drive Riiiverはシチズンの光発電技術エコ・ドライブに対応していること。太陽光はもちろん、室内の少ない光でも発電するので、スマートウォッチにも関わらず、ユーザーがわざわざケーブルをつないで充電する必要はありません。
Eco-Drive Riiiver ギャラリー(クリックで拡大)
Eco-Drive Riiiverで何ができる?
Eco-Drive Riiiverは、オープンプラットフォーム「Riiiver」と連携します。オープンプラットフォームとは、誰もが開発に参加できる、技術仕様が公開されているシステムのこと。
スマートウォッチのデメリットの一つが、製品ごとに機能が限定されていることでした。たとえば「睡眠中に寝がえりを打った回数を記録したい」場合は、睡眠中に寝がえりを計測記録する機能のあるスマートウォッチを購入する必要があるのです。
Riiiverなら「睡眠中の寝がえり回数を記録する」という機能を自分で作って、Eco-Drive Riiiverと連携させることが可能です。もちろん、プログラミングの知識や時間がない人でも大丈夫。スマートフォン用「Riiiver」アプリを使えば、すでにある機能を組み合わせることで、欲しい機能を作れます。
作り方は簡単。機能が動作するタイミングを選んで、使いたい機能を選択、そして機能が動いた結果を指定するだけです。「音楽を再生する」「温度を表示する」といった、すでにある機能を選ぶだけなので、プログラミングなどの知識はいりません。
この機能はピースと呼ばれ、自由にダウンロードできます。現在は利用できる機能(ピース)は多くありませんが、Eco-Drive Riiiverの発売までには最低でも45以上のピースを用意するとのこと。サービスが開始されれば、Eco-Drive Riiiverのユーザー有志による開発も期待できるので、加速度的にピースが増えるかもしれません。
アプリで作成した一連の動きは「iiidea」と呼ばれ、「Eco-Drive Riiiver」アプリにセットできます。Eco-Drive Riiiver本体では、3つまでの機能を切り替えられるため、1度にセットできるiiideaは最大3つまで。ただし、3つのiiideaセットの組み合わせをあらかじめ複数用意しておくことはできます。旅行時や運動時など、シチュエーションにあわせてすばやくセットを入れ替えられます。
ちなみに、すべてのスマート機能をiiideaでセットする必要はありません。時計の時刻は、スマートフォンとの連携時に自動で合わせてくれます。また、Eco-Drive Riiiverには加速度計と光センサー、温度センサーが搭載されています。加速度計を使った歩数の記録や消費カロリーなどは、とくに設定をしなくてもEco-Drive Riiiverアプリ上に記録されます。
Riiiverはオープンプラットフォームなので、将来的には家電などとの連携も視野に入れているとのこと。今回のワークショップでも、フィリップスのIoTライト「Hue」を、Eco-Drive Riiiverで光らせるといったデモンストレーションがありました。Riiiverのユーザーが増えればどんどん機能も増え、より便利になっていきそうです。
なお、Eco-Drive Riiiverには、最近のスマートウォッチには定番の心拍センサーは搭載されていません。これは室内の少ない光だけでも安定して動作するように、消費電力を抑えるためだそうです。個人的には、心拍センサーよりも充電不要の利便性のほうが大きいので、これは良い判断だったと思います。また、機能の充実や充電のいらない便利さだけではなく、シチズンが作っただけあって、時計としても魅力的な質感とデザインなのもうれしいポイントです。