スポンサー展示アレコレ

少々景気の悪い話になりますが、Maker Faireを運営しているアメリカのMaker Mediaは、6月に経営が悪化し事業停止となりました(現在はMake Communityとして復活)。これはアメリカのMaker Faireのスポンサーが減少したのが原因です。

日本のMaker Faireはライセンスによる運営なので、Maker Mediaの事業停止による影響はありません。Maker Faire Tokyo 2019は、2018年と同等のスポンサーを確保したという話です。この手のイベントにスポンサーは欠かせません。ということで、スポンサー展示からいくつか気になったモノを紹介します。

KDDI

  • Maker Faire Tokyo 2019

    KDDIは2016年以降プラチナスポンサー

  • Maker Faire Tokyo 2019

    本来の5Gは4Gの1/100という遅延。ゲームを題材にした入力遅延を変化させることで、実感できるようになっていました

ソラコム

  • Maker Faire Tokyo 2019

    ソラコムはIoTでジュースを冷やすデモ

  • Maker Faire Tokyo 2019

    氷でジュースを冷やし、目標温度(5度)になったら機械を止めて通知を送るというもの。ユニット間の通信はすべてソラコムのサービスを利用

東芝メモリ

  • Maker Faire Tokyo 2019

    2020年には社名も変わるし、Maker Faireに出られないかもと心配なコメントをしていたのは東芝メモリ。展示では、工場の服を着られるという体験を用意していましたが、実際に着た人はごく少数だったとか……

  • Maker Faire Tokyo 2019

    この箱には製造中の半導体基板が入っています。ここで密閉することで、工場建屋のクリーン度をあまり上げなくても最新の製造ができるそうです。現物を見られるのは貴重です

  • Maker Faire Tokyo 2019

    メモリチップは薄く削ってから切ります。薄いので、そのまま持っても折れてしまいます。下からテープで押さえてあり、これを見るのは初めてでした。ところどころ残っているのは「不良品をイメージ」

  • Maker Faire Tokyo 2019

    薄く削る必要があるのは、そうしないとパッケージに収まらないから。この例では、microSDカードに4枚のメモリチップ+コントローラーを重ねています。あの薄いmicroSDカードに納めないといけないのです

IIJ

  • Maker Faire Tokyo 2019

    IIJ。ステージ中央で目立ちたいギタリスト向けに、ネックに付いているボタンを押すことでエフェクターを切り替える機材

  • Maker Faire Tokyo 2019

    IoTデータのグラフ化を行うWebサービス「Machinist」。正式な有料サービスになりましたが、10メトリック+1カ月保管なら無料で使えます。ここではサボテン栽培のデータを可視化

  • Maker Faire Tokyo 2019

    農林水産省の公募事業「低コストで省力的な水管理を可能とする水田センサー等の開発」で、水位と水温を測るセンサー。市販価格が10,000円程度という目標に向けて、コストダウン中(初期試作ではポールだけで10,000円を越えていたとか)

タカハ機工

【動画】タカハ機工の「Scramble crossing」。小野澤峻氏が東京藝術大学の卒業作品で作成した「Movement act」を製品化するそうです
(音声が流れます。ご注意ください)

Google

  • Maker Faire Tokyo 2019

    Googleは恒例のGboardエイプリルフールバージョンから、最新の3年分(スプーン曲げ、物理手書き、物理フリック)

  • Maker Faire Tokyo 2019

    ドール型ロボット「茉莉花」。上にあるAndroid端末の音声認識と顔検出を使って、人形が動くようになっています

  • Maker Faire Tokyo 2019

    Google主導のTensor Flow(機械学習向けのライブラリ)データ学習用マシン。手に持ってかざしてカメラから入力し、学習データはかなり大きなQRコードで出力します

気になったアレコレ

  • Maker Faire Tokyo 2019

    2018年にたこ焼きロボを出品していたコネクテッドロボティックス。今年は朝食ロボLoraineを出していましたが、できあがりはこんな感じで正直いまひとつ……。来場者からは「Back To The Futureのアレ」と話題になっていました

  • Maker Faire Tokyo 2019

    自作カーボンパーツ&ナンバープレートも付いている電動バイクは、毎年出品している前田武志氏の作品。2018年は「原材料が手に入らなくなるかも」とおっしゃっていたのですが、別の業者を見つけることができたようです

  • Maker Faire Tokyo 2019

    おおしまたくろう氏の「滑琴」。エレキギターを指で引くのではなく、スケートボードに乗って、ギャップやコーナーで音を変えるというのが斬新

  • Maker Faire Tokyo 2019

    Atelier Betaの「柿ピー分離機」。透明版に付いた振動モーターで一粒づつ落として、色センサーで柿の種とピーナツを分離する仕組みです。左のコップはあまり分離していないような……(判別を行う色センサーエラーのようです)

  • Maker Faire Tokyo 2019

    zinzirogeの「Mission 印possible」。引き金を引くとハンコが押されるという装置ですが、なんでこんなに大きいのかと思ったら、リボルバー式で6つのハンコを使い分けできるという代物でした

  • Maker Faire Tokyo 2019

    2018年は自作キーボードキットが即完売という状況でしたが、今年は3ブースの展示がありました。中でも力作だと思ったが「左右分離&エルゴノミクスキーボード」

  • Maker Faire Tokyo 2019

    タックマン氏の自作スマートウォッチ。基板もケースもすべてオリジナルで、相当の力作です

  • Maker Faire Tokyo 2019

    KOJIMA KUNIO氏による「ISS Tracker」。国際宇宙ステーションが現在どこにいるかをリアルタイムに表示するという、どこかの博物館にあってもおかしくない感じです

  • Maker Faire Tokyo 2019

    Yukio Ishii氏の「M5 Reflow」。表面実装パーツを基板に半田付けするとき、「リフロー炉」というオーブンで焼くのが一般的ですが、これはMakerでは手が出せません。そこでオーブントースターを温度制御することで代用しようというもの。キットは完売していましたのでMakerの琴線に触れる逸品でしょう

【動画】ロボットが万年筆で代書してくれる「PENDROID」。すでにサービス開始しており、ロボットを販売を行ってます(レンタルも検討中)。書体は現在オリジナルで3書体用意したという力作
(音声が流れます。ご注意ください)