この秋、新しくリリースされるiPadOS。いよいよiPadが「ほぼパソコン」として活用できる時が近付いているのでしょうか。改めてiPadOSに搭載される機能を詳しく見直し、iOSからどう変わるのかを確認してみましょう。
今回はテキスト編集やSafariのデスクトップ版表示など、近いようでちょっと違ったパソコンとの差について、改善される部分をご紹介します。
<1>ジェスチャ操作が大幅に強化されるテキスト編集
iPadに(特にProは)外付けキーボードを付けてお使いの方も多いと思いますが、手で持って使う場合やドローイング中心の場合は、画面上のキーボードを使うことになります。そんなとき、ちょっと不便なのがコピー&ペーストやUndoなどのショートカット操作です。iPadOSではそれらが3本指のジェスチャでできるようになります。
iOSのテキスト編集でこれまで不自由だったこと
- ソフトキーボードのコピー&ペーストやUndo等は独自のボタンを使用
- カーソルはスペースキーを長押ししてキーボード上で移動
- 長いページは長さ分のスクロールが必要
iPadOSのテキスト編集で可能になること
- 3本指のピンチイン/ピンチアウトでコピー&ペーストができるようになる
- 3本指で左にフリックするとUndo、右にフリックするとRedoできるようになる
- カーソルを指でドラッグして移動できるようになる
- スクロールバーが追加され長いページを移動しやすくなる
<2>フォントのインストール・管理が可能に
iPadをデザインツールとして使用する場合、ネックになるのがフォントの問題です。どんなに写真やレイアウトがカッコよくても、フォントが良くないと台無しになってしまうもの。日本語の場合はシステムにインストールされているフォントが少ないので、特に制限が大きいのが現状です。アプリによっては複数の日本語フォントを内蔵しているものもありますが、汎用性がありません。
iPadOSでは新たにMacのようにフォントをインストールし、管理することが可能になります。クリエイティブ系のユーザーにとっては、iPadにできることがグッと広がる大きなアップデートと言えます。
iOSのフォントでこれまで不自由だったこと
- インストールされている日本語フォントが少なかった
- 使いたいフォントをインストールすることができなかった
iPadOSのフォントでできるようになること
- App Storeからフォントをインストールできるようになる
- 「設定」にフォント管理機能が追加される
<3>WebアプリやCMSもパソコンと同じに使えるSafari
MacとiPadのSafariは、ブックマークや開いているタブを共有できるなど比較的シームレスに使えるアプリではありますが、Webサイトによってはスマートフォン向け表示が出てしまったり、一部の機能が使えないケースがありました。業務システムをブラウザから利用している企業にとっては、これがiPadがパソコン代わりならない理由の一つとなっていたわけですが、iPadOSのSafariではPCと同等の動作が可能になるようです。
iOSのSafariでこれまで不自由だったこと
- ファイルのダウンロードが管理できない
- 表示がスマートフォン向けになってしまう場合がある
iPadOSのSafariでできるようになること
- ダウンロードマネージャーが搭載される
- iPadに最適化したデスクトップ版のWebページが表示される
- 外付けキーボードのショートカットに対応する