富士通クライアントコンピューティングは個人向けノートPC「LIFEBOOK」シリーズに、17.3インチディスプレイを搭載した「LIFEBOOK NH」など、新しい2シリーズを含む10機種を追加した。新製品の発表会ではLIFEBOOK NHシリーズ、LIFEBOOK MHシリーズ、LIFEBOOK UH95の実機が展示されていたので、ここでは、会場で触ったLIFEBOOK NHのファーストインプレッションをお届けしよう。

  • 17.3インチのディスプレイを搭載したLIFEBOOK NHシリーズ(右)。本体は、15.6インチの「AH」シリーズ(左)とほぼ同サイズだ。なお、ディスプレイ自体の解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)

「家族で見る」ための大画面ノートPC

今回追加された新シリーズの「LIFEBOOK NH」シリーズは、17.3インチの大型ディスプレイと、光学ディスクドライブを搭載した、いわゆる2スピンドルタイプのオールインワンノートPCだ。画面サイズは大きいが、ナローベゼルデザインの実現などにより、フットプリント的には、ほぼ15.6インチクラスと同等のサイズを実現している。

  • 15.6型のLIFEBOOK AHシリーズ(Windows 7搭載モデル)との比較。NHシリーズではベゼル幅を左右各7.7mmに狭め、15.6型サイズの本体に17.3型ディスプレイを搭載した

富士通によると、家庭での過ごし方はそれぞれが自分の部屋にこもっていた時代から、最近はリビングに集まってそれぞれデジタルデバイスを使って好きなことをする時代に変わってきているという。そして、テレビやスマートフォンで得た情報を話題のきっかけにして、家族がコミュニケーションする、というライフスタイルに変化しているそうだ。

LIFEBOOK NHシリーズはこうしたライフスタイルに合わせ、リビングの中で、テレビに次ぐ大画面(17.3型)を搭載し、家中どこでも持ち歩けて、家族みんなで画面を見られるノートPCとして設計されている。画面だけでなく音も共有できるよう、スピーカーも大出力のユニットを搭載している。

ゲーム機やスマホをつなげてテレビ代わりに

また、このコンセプトに合わせて、ノートPCでは珍しくHDMI入力端子を備えている。ゲーム機やスマートフォンを接続して、いわば「第二のテレビ」として利用できるのだ。このときキーボードやトラックパッドは一部のキーを除いてオフ状態になり、Windowsはバックグラウンドで動作しているものの、操作できない状態になる。

ディスプレイ一体型PCにおいて、そのディスプレイを他の機器に使わせられるものは、同じFMVの「LIFEBOOK FH」シリーズなどをはじめとしていくつかあるが、ノートPCではかなり珍しい。ノートPCなら大容量のバッテリも搭載しており、いつでもどこでも使えるディスプレイになるので、いいアイデアだ。

  • Xbox Oneを接続してゲームをプレイ中。遅延等は特に感じられない。コンテンツによる色づくりなどはしていないそうなので、純粋にディスプレイとして機能する

スペック面を見ると(記事末参照)、CPUはインテルの第8世代Coreプロセッサを採用。下位モデルにCore i3-8145U、上位モデルにCore i7-9750Hを搭載。ディスクリートGPUは搭載せず、CPU内蔵のグラフィック(Intel UHD Graphics 630)を使用する。搭載ディスプレイ自体はフルHDだが、外部出力では4K(4,096×2,160ドット)まで表示可能だ。

デザインはフラッグシップモデルらしく、シンプルな中にも高級感のある仕上げ。特にこだわりの部分として、キーボード面はアルミの1枚板にヘアライン処理やサンドブラスト仕上げを施して作られている。例えばキーボード面の上部(ヒンジ側)にあるスピーカー部分にはマイクロホールを開け、中央のキーボード部はサンドブラスト、そしてパームレストはヘアライン加工、といったような具合だ。どの部分も、見た目の高級さはもとより、使用時の手触りもよい。

また、角はスマートフォンなどで見られる、ダイヤモンドカットによる処理がなされており、ぱっと見では気づきにくいが、全体を眺めると高級感の演出に一役買っているように思う。

  • キーボード面の加工工程一覧が公開されていた。なお、裏側は樹脂を接着して強度と軽量化を両立している

キーボードにこだわりのあるFMVシリーズらしく、本機のキーボードもキーストローク2.5mmを確保してあり、ホームポジションから使用する指によってキーの硬さ(重さ)を3段階に変化させてある。試し打ちしてみたが、かなり良好な打鍵感。総合的に見て、オールインワンノートとしてとても高いレベルにまとまった一台だ。

  • キーはしっかり打鍵感があり、かなり打ちやすい。カーソルキーを面一にせず、あえてずらしてあるのも打ちやすさを重視したためだという

さて、家族で大画面をシェアするというコンセプトはいいと思うのだが、17インチ級という大型ディスプレイをもっと生かすのであれば(せっかく美しく仕上げたキーボード面が見えなくなってしまうのはもったいないが)同時に登場した「MH」シリーズのようにテント型のスタイルが取れれば、さらによかったように思う。

また、HDMI入力があるなら、いっそスマートフォンからの共有を意識して、Chromecastなどを内蔵してもよかったのではないだろうか。高いレベルでまとまっているのだが、それだけに、もう一歩踏み込んだ提案があってもよかったように感じる。

とはいえ、前述したように完成度は非常に高く、コンセプト通り、リビングやダイニングの中心的情報端末として活躍できるだろう。

LIFEBOOK NH90/D2の主な仕様

  • OS:Windows 10 Home 64bit
  • CPU:Intel Core i7-9750H(2.60GHz)
  • メモリ:8GB(4GB×2)
  • ストレージ:256GB PCIe SSD+約1TB HDD
  • グラフィックス:Intel UHD Graphics 630(CPU内蔵)
  • ディスプレイ:17.3型ワイド(1,920×1,080ドット)
  • 光学ドライブ:BDXL対応ブルーレイディスクドライブ
  • 通信機能:IEEE802.11a / b / g / n / ac準拠の無線LAN、ギガビット準拠の有線LAN、Bluetooth 4.2
  • バッテリ駆動時間:約4.5時間(JEITA 2.0)
  • インタフェース:HDMI入力×1、HDMI出力×1、USB 3.1 Gen2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、SDカードスロット、イヤホンジャックなど
  • 本体サイズ:W398×D265×H26.9mm
  • 重さ:約2.9kg

LIFEBOOK NH56/D2の主な仕様

  • OS:Windows 10 Home 64bit
  • CPU:Intel Core i3-8145U(2.10GHz)
  • メモリ:4GB(4GB×1)
  • ストレージ:512GB PCIe SSD
  • グラフィックス:Intel UHD Graphics 620(CPU内蔵)
  • ディスプレイ:17.3型ワイド(1,920×1,080ドット)
  • 光学ドライブ:DVDスーパーマルチ
  • 通信機能:IEEE802.11a / b / g / n / ac準拠の無線LAN、ギガビット準拠の有線LAN、Bluetooth 4.2
  • バッテリ駆動時間:約5.5時間(JEITA 2.0)
  • インタフェース:HDMI入力×1、HDMI出力×1、USB 3.1 Gen2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、SDカードスロット、イヤホンジャックなど
  • 本体サイズ:W398×D265×H26.9mm
  • 重さ:約2.7kg