イギリスのインターネットサービスプロバイダー協会は7月9日(英国時間)、「ISPA withdraws Mozilla Internet Villain Nomination and Category ≫ News, Press Releases｜The Internet Service Providers Association」において、「2019 Internet Heroes and Villains」の悪役としてMozillaをノミネートしたことは間違いだったとして、今年のアワードからMozillaのノミネートを撤回し、悪役カテゴリーを中止すると伝えた。

同協会は「Internet Heroes and Villains」における悪役カテゴリの意義は「重要な問題に対して気軽に注目してもらうこと」であり、今年のMozillaノミネートは建設的な議論を引き起こしたいという協会の目的に反して誤ったメッセージを発信することになってしまったと、撤回の理由を説明している。

  • ISPA withdraws Mozilla Internet Villain Nomination and Category

    ISPA withdraws Mozilla Internet Villain Nomination and Category

同協会は7月2日(英国時間)、「ISPA announces finalists for 2019 Internet Heroes and Villains: Trump and Mozilla lead the way as Villain nominees」において、悪役の最終選考にMozillaをノミネートしたと発表していた。この発表は注目を浴び、複数のメディアで報道された。

  • ISPA announces finalists for 2019 Internet Heroes and Villains: Trump and Mozilla lead the way as Villain nominees

    ISPA announces finalists for 2019 Internet Heroes and Villains: Trump and Mozilla lead the way as Villain nominees

同協会は報道の反応を見て撤回を決めたと見られる。しかし、発表においてMozillaを悪役としてノミネートすることになった主要な理由であるDNS-over-HTTPS技術およびそれに類する技術に関する意見も述べており、フィルタリングやプロテクトを実施したいというユーザの意思や選択を尊重するようにすべきといった内容を主張している。

Mozillaの悪役ノミネートは撤回したものの、こうした技術がフィルタリングのバイパス技術のみとして広く使われることを懸念していると見られる。