OPPO Japanが2019年月3日に発表した新しいフラッグシップスマートフォン「Reno 10x Zoom」。10倍ズームができる独自のトリプルカメラ機構や、「ピボットライジング構造」という独自の機構を採用した飛び出すカメラを搭載するなど、OPPOが得意とするカメラ機能に一層磨きがかかった新モデルの実力に迫ってみましょう。
ノッチレスを実現も本体はやや厚め
まずは外観をチェックしていきましょう。Reno 10x Zoomはハイエンドモデルに相応しい、6.65インチの大画面有機ELディスプレイを採用。解像度はフルHD+(2340×1080)と標準的ですが、何より大きなポイントとなるのが、フロントカメラがないノッチレスデザインを採用していることです。
詳しくは後述しますが、Reno 10x Zoomは同じOPPOの「Find X」と同様、フロントカメラが必要に応じて本体から飛び出す機構を採用することでノッチレスデザインを実現しています。それに加えてベゼル部分も可能な限り抑えることで、93.1%と非常に高いディスプレイ占有率を実現しています。実際に動画やゲームなどを動かしてみると、ノッチで映像が隠れない分コンテンツが楽しみやすいと感じます。
本体デザインを見ると、前面・背面ともにガラス素材が用いられており、高級感のあるデザインを実現。最近のOPPO製端末に搭載が増えているディスプレイ内蔵型の指紋センサーを搭載することで、背面や側面に指紋センサーがないというのもデザイン性を高めることに貢献しているといえそうです。
ですが一方で、本体サイズは、W77.2×D9.3×H162.0mm、215gと、やや大きく重めの印象です。特に厚さは最近のスマートフォンの中でも厚い部類に入るため、スマートさという面ではやや譲る印象があります。
ですがその分、多くのスマートフォンで目立つ印象を受けるカメラ部分の出っ張りがなく、本体をテーブルなどに置いた時にもカタつきが発生にくくなっています。ただし背面が完全にフラットだと、テーブルに細かな凸凹があった時に傷がつきやすくなることから、あえて「O-DOT」と呼ばれる突起を付け、置いたときに隙間ができるよう配慮がなされています。
超広角から超望遠まで、10倍ズームカメラの実力は
続いて、Reno 10x Zoomの最大の特徴ともいえる、カメラについて見ていきましょう。Reno 10x Zoomのメインカメラはトリプルカメラ構造で、4,800万画素の広角カメラと、800万画素の超広角カメラ、そして潜望鏡のような「ペリスコープ構造」を採用することで実現した、1,300万画素の望遠カメラの3つを搭載しています。
Reno 10x Zoomではこれらを適宜切り替えることで、画質を落とすことなく35mmフィルム換算で16~160mmの焦点距離をカバーし、最大10倍ハイブリッドズームが可能であるとしています。少々ややこしいのですが、Reno 10x Zoomの10倍ズームは超広角カメラを基準としたもので、広角カメラを基準とした場合は最大6倍ズームということになるようです。それ以降は通常のデジタルズームとなり、最大60倍までのズームが可能です。
ズームの切り替えは、シャッターの上にあるズーム切り替えボタンを押して切り替えるか、倍率を細かく変えたい場合はピンチ操作をする形となります。ただし10倍を超えるズームをピンチ操作でするのは意外と難しいので、そんな時はズーム切り替えボタンを長押しし、上下にスライドすることで、指一本で倍率を変えられるようになります。
では実際のところ、その実力はどのようなものなのでしょうか。同様の構造を備え、10倍のカメラ性能をうたうファーウェイ・テクノロジーズの「HUAWEI P30 Pro」と、同じ場所から撮影して比べてみました。なお比較に使用したP30 Proは海外版のため、無線通信を使用しないようフライトモードにした上で撮影しています。
Reno 10x Zoomで撮影
HUAWEI P30 Proで撮影
Reno 10x Zoomのカメラはゆがみが少なめ
実際に撮影した写真を見比べてみると、ズーム時の細部の鮮明さはP30 Proの方が上回る印象ですが、超広角撮影時のゆがみの少なさはReno 10x Zoomの方が上回っていると感じます。また、50~60倍といった超高倍率撮影では手ブレの影響で撮影がしづらい点は共通しています。どちらのカメラもかなり性能が高いだけに、甲乙つけがたい出来といえるでしょう。