海部観光と富士通マーケティングは6月27日、ロボットやIoTデバイスなど複数のICTを利用してバス運行のさらなる予防安全の実現を目指した実証実験を、7月1日から7月31日までの予定で実施すると発表した。同実験では、バスや乗務員が装着するデバイスから取得するデータと運行管理データを連携させ、危険予知の傾向を分析するとのこと。

同実験では、バスや乗務員に眠気検知センサーやカメラセンサーといったIoTデバイスを装着し、これらから取得するデータを、クラウド上で運用するデジタルタコグラフ及びドライブレコーダーからなる運行支援システムに連携、一元管理するという。

画像を含む運行データをリアルタイムに取得し、危険予知訓練の効果検証及びバイタルデータ分析を実施するとのこと。

また、AI(人工知能)ロボットを使用する点呼支援システムにより、日々の点呼データをクラウド上で管理し、点呼簿作成までを自動化することにより、点呼業務の精度向上と効率化を図るとしている。

同実験で使用する機器類のうち、点呼支援ロボットはナブアシスト「Tenko de unibo」を使用する。同製品は、富士通が提供する「ロボットAIプラットフォーム」を搭載したコミュニケーションロボット「unibo」が煩雑な点呼業務を支援するという。

  • 点呼支援ロボット「Tenko de unibo」

事前登録した指示・伝達事項を自然な語り口調で乗務員に確実に伝え、顔認証やアルコール測定など点呼結果はクラウドで管理し、点呼記録簿を自動作成することで、運行管理者の業務平準化や負担を軽減するとしている。

カメラセンサーはジャパン・トゥエンティワン「モービルアイ」を使用。カメラが車両周囲の状態を検知する、後付け可能な衝突防止補助システム。前方車両・歩行者・オートバイ・車線を検知し、衝突の危険が迫るとアイコン表示とビープ音による警報を発して、事故リスクを軽減する。

  • カメラセンサー「モービルアイ」

通信型デジタルタコグラフはトランストロンの「DTS-D1D」を使用。ドライブレコーダーの動画を含めた運行データをクラウドで管理するという。データバックアップも不要となり、必要な時に必要な情報の確認・利用が可能となり、リアルタイムな運行管理を支援するとしている。

眠気検知センサーは富士通の「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE FEELythm」を使用し、乗務員の脈波から自覚の無い眠気の予兆を検知し、音声と振動でドライバーに注意を促し、安全運転を支援する。また、運行管理システムとの連携により、ドライバーの状態の可視化を図る。

  • 眠気検知センサー「FEELythm」

クラウド型運行支援システムとしてはトランストロンの「ITP- WebServiceV2」を使用し、デジタルタコグラフで記録した運行データを整理・集計し、日報や管理帳票、ドライブレコーダー映像などをクラウドで管理することで、リアルタイムに利用でき、運行管理者の業務を支援する。