5Gへの対応

HoloLens 2の発表とともに、マイクロソフトは、Mixed Realityのプラットフォームをオープンに公開していくことを強調している。HoloLens 2を正式発表した際にも、米マイクロソフトのキップマン氏は、オープン性を強調。「これからのMRの普及において重要なのは、エコシステムがオープンでなくてはならないこと」と位置づけた。

また、米マイクロソフトはHoloLens 2の発表にあわせて、APIやドライバを広く公開することを公表している。ARKitやARCoreをサポートし、iOSやAndroidデバイスにも対応することで、企業や開発者が開発したMRアプリをこうしたデバイスで利用できるようにした。サードパーティーのブラウザもサポートし、より多くの環境でMRを体験できるようにしたわけだ。

「マイクロソフトの製品だけで、すべてがそろう環境にはない。サードバーティーやシステムインテグレーターといったパートナー、そして顧客が、製品、サービスを作っていくことが大切である」(米マイクロソフト、サリバン氏)。

  • フィールドサービスの現場での利用

  • 医療分野での利用例

一方で、今後の取り組みで注目されるのが、5Gへの対応だろう。まず、2019年内に発売が予定されているHoloLens 2では、5Gに対応はしない。米マイクロソフトのサリバン氏は次のように述べる。

「最新のネットワーク技術を取り込んでいくのは確かだが、それらは顧客のデマンドをとらえて考えていきたい。

いまはWi-Fiや4Gでの利用を前提としているが、帯域幅の広がりや遅延がなくなるという5Gの魅力を考えると、MRデバイスとMRコンテンツに、5Gが組み合わせることによって生まれる世界はすばらしいものになるはずだ。エンタープライズや工事現場、野球場などあらゆるところで可能性は広がる。HoloLens 2では対応はしないが、長期的には、5Gは対応することになるだろう」

次のステップにおいて、5G対応が進められることになりそうだ。

このように、HoloLens 2によるデバイスの強化に加えて、MRを取り巻く環境が大きく進化していることがわかる。進化はこれからも続く。HoloLens 2の出荷開始は2019年後半と、もう少し時間があるが、HoloLens 2の出荷によってMRは、より価値を生む世界へと入っていくだろう。