米Microsoftは5月30日 (現地時間)、Windowsゲームの提供に関する2つの発表を行った。1つは、Windows 10のMicrosoftストアでUWP化していないネイティブのWin32ゲームをフルサポートする計画。もう1つはPCゲーム配信プラットフォームSteamを通じて提供するXbox Game Studiosタイトルの拡大だ。
「Win32がゲーム開発者が求めるアプリケーションフォーマットであり、プレイするゲーマーからも求められている」とXbox事業を率いるPhil Spencer氏は述べている。Windows 10のMicrosoftストアは、Windows 10デバイスユーザーがゲームやアプリと出会える場になっているが、同ストアではUWP (Universal Windows Platform)アプリを配布している。UWPは安全性や様々なデバイスを想定した共通のAPIといった長所を持つ一方で、ローカルリソースの利用など様々な制限があり、それが柔軟性を求めるPCゲームになじまないところがあった。MicrosoftストアでのWin32ゲームのサポートでは「Windowsゲーミングのオープンなエコシステムに期待されるカスタマイズやコントロールが可能になる」という。
現段階で詳細は不明だが、「PCのオープンな特性を重んじた判断」(Spencer氏)だという。そのためThe Vergeが「葬られたMicrosoftのUniversal Windows Platform (UWP)アプリの夢」としているように、Win32ゲーム・サポートから読み取れるUWPからデスクトップアプリへの回帰、Microsoftのアプリケーション戦略の変更も話題になっている。
Steamを通じたXbox Game Studiosタイトルの提供も、「Windowsゲーミングのオープンなエコシステム」をサポートする方針の一環だ。
SteamはPCゲームを購入・管理するプラットフォームとして多くのユーザーを抱えており、「PCゲームを購入する場として、数百万のPCゲーマーがSteamを信頼していることを理解している」とSpencer氏。今年3月にMicrosoftは、2019年内にリリースする予定のWindows PC向けの「Halo: The Master Chief Collection」(Haloシリーズ本編のリマスター版)を、Microsoftストアに加えてSteamでも提供することを発表。そして今回、「Halo: The Master Chief Collection」の他にも、「Gears 5」や「Age of Empires」シリーズなど、20以上のXbox Game Studiosのタイトルを継続的に追加していくことを明らかにした。Microsoftの目的はWindows 10デバイスのユーザーがXbox Game StudiosのPCゲームを購入できる場を増やすことであり、Steam以外のストアへの拡大も計画しているという。