QualcommはCOMPUTEX TAIPEI 2019開催前日の5月27日に、Press Conferenceを開き、Lenovoと共同で5GPCをアナウンスした。

  • Photo01:説明を行ったAlex Katouzian氏(SVP&GM, Mobile Business Unit, Qualcomm Technologies, Inc.)

Qualcommは、Arm64ベースのWindowsプラットフォームを2017年から提供しており、最新のものは2018年の「Snapdragon Technology Summit」で発表されたSnapdragon 8cxとなる(Photo02)。

  • Photo02:MWCの時点では2019年中に投入といった形で、具体的な市場投入時期は明らかになっていなかった

Snapdragon 8cxそのものはKyro 495にAdreno 680、Hexagon 690などのコンポーネントに加え、X24 modemなどを搭載した製品(Photo04)だ。MWC 2019ではこれに5G対応のX55 modemを外付けで組み合わせるという話がなされていた。

  • Photo03:ちなみに製造はTSMCの7nmプロセスを利用する

ここで話は一転し、昨今のノートPCにおける最大の問題は引き続きバッテリー寿命であるとした(Photo05)うえで、現状で長時間のバッテリー寿命を提供できる機種は性能を犠牲にしていると説明する。

  • Photo04:まぁ確かに20時間安定して連続稼働できるPCはそう多くない

例えばWebブラウザの動作を比較すると、Snapdragonで17分半で済む処理に30分かかる(Photo05)とか、マルチスクリーンを使ってのウィンドウの移動といった操作も競合に比べてずっと早いとする(Photo06)。

  • Photo05:ちなみにKatouzian氏、こうした比較をするのに3DMarkやPCMark10が「Synthesis Benchmarkではない」から適しているとしていた。確かにPCMark10は最新の2.0でApplication Testを実装した(Microsoft Officeを直接駆動する)とはいえ、3DMarkはSynthesis Benchmarkだと思う

  • Photo06:ちなみに競合は"Core i5"としていたが、Core i5のどのモデルを念頭に置いているのかは不明

Photo06ではWindowsの操作に1分11秒余分にかかっているが、これが積もり積もると1年間で11日分の無駄になる(Photo07)として、性能の低さが生産性の悪化につながることを強調した。そしてSnapdragonを使うことで、より長時間の利用とモビリティ性の向上が実現できるとした(Photo08)。

  • Photo07:数字の根拠は、これが1日20回あり、週5日、年間52週とした場合の累積がほぼ11日になるということだそうだ

  • Photo08:このあたりの話はMWCの時とほとんど変わらず

そして5Gモデムを搭載した製品をLenovoが出すことを明らかにした(Photo09)。このあと、実際に動作する5G対応PCが示された(Photo10)りしたものの、ベンチマークなどは今回は一切なし。

  • Photo09:発表会場に大きくこの看板が出ていた時点でまぁ明らかだった気もするのだが

  • Photo10:右でLenovoの5GPCを示すのはLenovoのJohnson Jia氏(SVP&GM, Consumer Business of Intelligent Devices Group)

説明の終了後にちょっと写真撮影の機会はあり、確かにWindows on Arm64が動いていることは確認できたものの、それ以上のものではなかった(Photo11)。

  • Photo11:御覧の通りPCの周囲に人が群がっており、動作を試せる状況ではなかった。というか、そもそもSnapdragon 8cxそのものはなく5Gが目玉な訳だが、5G環境がない状況では試しようがないというか

ちなみに今回の発表は"just the beggining"(Photo12)であり、まだ今後もいろいろと展開を予定しているという話であった。なおこのLenovoの5G対応PCについては、2020年の比較的早い時期に市場に投入される予定とのことである。

  • Photo12:ただ具体的に何を次にという話はもちろんなし