ここ数年、高機能オーブンレンジのトレンドは「時短」と「ヘルシー」。ヘルシーな料理を作る高機能オーブンレンジの代表格といえば、シャープの「ウォーターオーブン ヘルシオ(以下ヘルシオ)」シリーズです。そんなヘルシオから、5月21日に新モデル「AX-XW600」と「AX-AW600」が登場しました。価格はともにオープンで、発売は6月13日を予定しています。

AX-XW600は庫内容量が30Lのモデルで、推定市場価格は17万5,000円前後(税別)。AX-AW600は庫内容量が26Lのモデルで、推定市場価格は13万円前後(税別)です。

  • 上位モデルのAX-XW600。庫内容量が30Lと大きいほか、あぶり豊潤焼き・あぶり焼き機能を搭載しました

  • 庫内容量が26LのAX-AW600。コンパクトながらIoT機能を備えています

  • AX-XW600とAX-AW600の大きな違いは庫内容量のほか、「あぶり焼き・あぶり豊潤焼き」機能の有無。AX-XW600のみ搭載する「あぶり焼き」は過熱水蒸気を直接食材に噴射し、ステーキなどの調理ができるメニューです

ヘルシオの魅力とは

シャープのヘルシオといえば、過熱水蒸気によるオーブン機能で食材をヘルシーに仕上げるのが特徴です。過熱水蒸気オーブンとは、水蒸気をヒーターでさらに加熱し、最高300度まで温度が上昇した水蒸気を使うオーブン機能のこと。シャープによると、食材を「水で焼く」ことが可能なため、食材の余分な塩分を落としたり、油を落としたりでき、オーブンで焼くよりもヘルシーに仕上がるのだそう。ちなみに最近は、多くの高機能オーブンで「過熱水蒸気機能」を使えますが、ほとんどは過熱水蒸気とヒーター・レンジによる加熱を併用します。一方ヘルシオは、過熱水蒸気だけで調理するのです。

「まかせて調理」も見逃せません。プレートに置かれた食材を分析し、最適に調理する機能で、食材が肉でも魚でも野菜でも、量が多くても少なくても、本体のボタンを押すだけで調理がはじまります。食材の種類や量にあわせて「調理方法」や「調理時間」を選ばなくて済むため、非常にお手軽です。

まかせて調理は、食材を過熱水蒸気で調理します。そして過熱水蒸気調理は、「冷たいものを強く加熱する」特性があります。この特性を生かし、複数の料理を同時に調理することも可能で、たとえば「冷凍食品と常温の食材」を一緒に調理したり、肉の横に野菜を置いて「チキンソテーと付け合わせの野菜」を同時に調理したりできるのです。

  • 味付けした鶏肉の両サイドに生のキノコとカボチャを乗せ、「まかせて調理」を選択

  • どの食材も焼けすぎることなく、きちんと火が通っています

  • まかせて調理で作ったチキンと野菜を試食。チキンの皮はパリッとして香ばしく、カボチャは焼き色こそついていませんが、中までホクホクでした

  • 「まかせて調理」を使った料理の一例。肉と付け合わせを同時に作れるので、洗い物も少なく時短になります

  • 食材をプレートに乗せるだけ。あとは火加減調節も不要でこの仕上がり。料理は激ウマです

「COCORO KITCHEN」と呼ばれるAI機能も魅力。対話形式でヘルシオの設定をしたり、料理のアドバイスをくれたりする機能で、たとえば「電子レンジ、600Wで3分ね」とヘルシオに向かって話しかければ、ボタンを押すことなく調理設定ができます。また「今晩なにたべよう」「600kcal以内の料理を教えて」「10分以内で作れる料理を教えて」など、対話形式でおすすめレシピを提示してくれるのもうれしいところです。

「今日なに作ろう?」でレシピの候補をリストアップ。過去に選んだメニューを分析し、選ばれやすい料理を学習する機能も用意しています

新機能は大きく3つ

今回発表された新モデルAX-XW600とAX-AW600は、ヘルシオ独自の過熱水蒸気調理やまかせて調理のほか、Wi-Fiに接続して献立などを相談できる「COCORO KITCHEN」にも対応します。ここまでは従来モデルと同じ。AX-XW600とAX-AW600の新機能は大きく3つあります。

新機能の1つ目は、ヘルシオが「使い方」を教えてくれること。ヘルシオは多くの機能を備えていますが、「できることが多すぎてどのメニューを使ったらいいのかわからない」こともあります。そんなとき、「やりたいこと」「作りたいメニュー」を伝えるだけで、最適なメニュー候補を教えてくれるのです。

ためしに「ほうれん草を茹でたい」とヘルシオに伝えると、野菜の食感を残す「低温蒸し青野菜」や、ほうれん草以外の食材も一緒に同時調理できる「まかせて調理」などを候補にあげました。液晶画面にも候補メニューが表示されます

2つ目の新機能は「低温蒸し青野菜」です。約80度前後の低い温度で青野菜を加熱する調理方法で、ほうれん草などはシャキシャキとした食感を残せるといいます。エビを調理するのにも向いているメニューで、エビはプリプリの食感に仕上がるそうです。

  • 低温蒸し青野菜は、「低温調理・低温蒸し野菜」メニューから選べます

  • 「低温調理」メニューの「ほうれん草としめじの塩こうじあえ」を試食しました。ほうれん草もアスパラガスも、シャキシャキとした食感があり、味を濃く感じられます

3つ目の新機能が「レンジで一品」。これまでのヘルシオは過熱水蒸気調理に力を入れていたので、電子レンジとしての機能はあまり多くありませんでした。食材を外からジワジワ加熱する過熱水蒸気調理より、食材内部から加熱する電子レンジ機能を使ったほうが、食材を早く調理できることもあります。

新モデルでは、電子レンジで作れる「5分おかず」や「カンタン煮物」「カンタンパスタ」といった電子レンジ専用メニューが追加されました。なかでも注目したいのが「5分おかず」メニュー。メイン料理にあわせて「あともう一品」作りたいとき、5分で料理が完成します。

電子レンジは庫内が熱い状態だと使えないことがありますが、「5分おかず」は過熱水蒸気調理後すぐに利用可能。おまかせ調理でメインとなる肉料理を作ったあと、「5分おかず」ですぐ副菜を作るといった使い方も考えられそうです。

  • 電子レンジで作れる自動調理メニューは、「5分おかず」「カンタン煮物」「カンタンパスタ」の3カテゴリーとなりました

  • 「5分おかず」メニューの一部。野菜を使ったメニューが多い印象です

  • 5分おかずで作った「豚肉と大根のしょうが風味」の試食をしましたが、豚と大根どちらもしっかり味がしみこんでいました。豚は柔らかく加熱されているのに、大根は少し食感を残しています

  • 今回の新機能は使っていませんが、ヘルシオで調理したハンバーグは感動するほどのおいしさ。箸で割ると、中から肉汁がじゅわっと出てきます