アプリの利用中に突然ホーム画面(アイコンが並ぶ画面)が表示される現象は、おそらく「クラッシュ(異常終了)」でしょう。クラッシュはそう珍しいものではなく、出現頻度が多いアプリもあれば少ないアプリもあり、ある機能を使うと必ず発生することも、予測不能なタイミングで出現することもあります。

一般的に、アプリのクラッシュはシステムに組み込まれた保護機能により発生します。想定外の値が入力された、過剰に負荷がかかったなどの原因により、アプリが正常なコントロールを失い、すべてのアプリを統括管理するシステム(iOS)により強制的に終了させられるのです。

かんたんにいうと、アプリの画面が消えて突然ホーム画面が現れたということは、アプリに与えられていた描画の権限が異常終了により急きょシステムに返還されたことを意味します。macOSやWindowsといったパソコン用OSの場合、「問題が発生したためプログラムが正しく動作しなくなりました」などといった警告ダイアログが表示されますが、iOSにそのような機能がないため、突然ホーム画面やロック画面が現れるのです。ただし、クラッシュ発生時にはログ(関連情報を記録したファイル)が作成され、あとから『設定』→「プライバシー」→「解析」→「解析データ」から参照できます。

アプリがクラッシュすると、そのときの状態/データは失われますが、他のアプリやシステム全体に悪影響を及ぼさないための機構がiOSに用意されているため、クラッシュの被害は発生したアプリにとどまります。システムが不安定化することも、まずありません。

ところで、アプリのクラッシュには根本的な対策がありません。プログラム上のなんらかの不具合(バグ)が原因だとしても、それがアプリ側に隠れていることもあれば、システム側に潜んでいることもあるからです。iOSのアップデートによりシステムの仕様が変更され、それが原因でクラッシュが起こるというケースもあります。とはいえ、不具合は発見されれば修正されますから、アプリやiOSはつねに最新版を使うことがクラッシュ予防につながります。

  • アプリの利用中に突然ホーム画面が表示されます!?

    アプリがクラッシュすると制御がシステムに移ります(画面はクラッシュ時に自動作成されるログ)