これまで平成に流行したSNSを振り返ってきましたが、いよいよ最終回。今回は「Instagram」と「TikTok」のお話です。

  • 「Instagram」「TikTok」について

    平成を彩ったSNS、最終回は「Instagram」「TikTok」についてです(イラスト:jimao)

「映え」を披露する場になった「Instagram」

Instagramは最近始まったSNSというイメージの人もいるかもしれませんが、サービス開始は2010年のこと。アメリカのベンチャー企業が、iOS向けにアプリをリリースしたのが始まりで、当時は写真を愛するユーザーがアーティスティックな作品を投稿するSNSでした。

2012年にFacebookに買収され、2014年に日本語版の公式アカウントが登場。Instagramのフィルターを通すと、スマホで撮影した写真の雰囲気をがらりと変えられるとして、日本でも話題となりましたが、2015年8月までは正方形の写真しか投稿できなかったのです。投稿できる写真も1度につき1枚まででした。ストーリーズ機能が実装されたのは2016年のことです。

Instagramが芸術作品を投稿する場から、「映え」を披露するSNSへと変わったのは、海外のいわゆる「セレブ」と呼ばれる人たちが豪華な私生活や、派手に加工を施したセルフィーを投稿し始めたのがきっかけのような気がしています。

国内では、パンケーキといったスイーツやナイトプールなど、主に若い女性がキラキラした投稿を行うスペースとして流行りました。2017年には「インスタ映え」が「2017ユーキャン新語・流行語大賞」を受賞。ちなみにハッシュタグで、「#今日は寝坊したから前髪死んでる」などまとまった文章を書くのは、日本独自の傾向なんですよ。

  • Instagramのストーリーズには、令和スタンプが登場しています

大躍進した中国の「TikTok」

動画SNSといえばInstagramのほか、いま破竹の勢いで普及しているTikTokも思い浮かびます。中国企業バイトダンスが2016年9月にローンチし、日本では2017年8月にサービスを開始したばかり。バイトダンス日本法人によると、日本におけるTikTokの月間アクティブユーザーは950万人だそうです(2018年Q4)。

TikTokでは、音楽に合わせて踊ったり、口パクをしたりといった自撮り動画を中心に投稿されていますが、料理の手順や動物の動画など、カテゴリは全般に広がりつつあります。アーティスト応援プロジェクト「TikTok Spotlight」も始まり、エンタメ分野での成長も楽しみです。

SNSは写真から動画へ

SNSの歴史を紐解くと、共有するコンテンツが徐々に変わってきたことがわかります。通信速度がいまよりずっと遅かったころは、データ通信容量が少ないテキストをパソコンやガラケーで打つのが基本でした。

スマホやLTEが普及すると、スマホのカメラで撮影した写真をSNSへ投稿するようになりました。そしていま、私たちは動画でコミュニケーションする時代を迎えています。テキストよりも写真や動画のほうが伝えられる情報量が多いため、手軽に密な交流ができますよね。AI技術の進化もSNSに大きく影響しており、AIが自撮りを美しく加工してくれたり、ユーザーの好みに合わせた投稿をオススメしてくれたりします。

令和では、どんなSNSが流行するのでしょう。いまから10年後、20年後もTwitterやLINE、Instagramが使われているのか、それとも別のSNSが使われているのか。想像もつきません。 「SNS疲れ」なんて言葉もささやかれて久しいですが、日常を楽しくするアイテムのひとつとして、令和でもSNSを活用していきたいものです。