小型軽量だけじゃないミラーレスの魅力
レンズ交換式カメラで急速に人気が高まっている「ミラーレスカメラ」(ミラーレス一眼)。昨今は、画質や撮影性能を追求した「フルサイズミラーレス」が注目を集めていますが、売れ筋は一眼レフカメラの「大きく重い」という欠点を克服し、気軽に持ち歩ける小ささ、軽さに仕上げた初心者向けの低価格ミラーレスです。
バリエーション豊かな低価格ミラーレスカメラ、どのような点に着目して機種選びをすればよいのでしょうか? 初心者向けの低価格ミラーレス選びのポイントをチェックしつつ、おすすめの最新機種を紹介しましょう。
ミラーレスと一眼レフの違いは?
ミラーレスカメラは、一眼レフカメラに欠かせない「クイックリターンミラー」と呼ばれる鏡や光学ファインダーなどの機構を省略し、ボディーの小型軽量化を図ったレンズ交換式カメラ。キヤノンの一眼レフカメラ「EOS Kiss X10」は122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mmなのに対し、ミラーレスカメラの「EOS Kiss M」は116.3(幅)×88.1(高さ)×58.7(奥行)mmとひとまわり以上小さく、特に厚みが薄くなっています。重さは、前者が約449gなのに対して、後者は約387gと断然軽量。
一眼レフよりも撮影しやすい
ミラーレスカメラと一眼レフカメラの大きな違いの一つが、ファインダーの構造です。一眼レフカメラは、レンズに入った光がそのまま導かれる「光学ファインダー」(OVF)をのぞいて撮影するのに対し、ミラーレスカメラは撮像素子でキャッチした光を「電子ビューファインダー」(EVF)または背面液晶に表示する「ライブビュー」で確認しながら撮影します。
ライブビューの仕組みはスマホカメラと同じなので、できあがる写真を見ながら撮影でき、イメージ通りに撮りやすくなります。また、背面液晶を見ながら撮影できるので、ファインダーを片目でのぞいて撮影するのが苦手な初心者でも手軽に撮影できます。
デザインの自由度が高く、カラーも個性豊か
一眼レフカメラは、どの機種も黒くてゴロンとした似たり寄ったりのデザインばかり。それに対して、ミラーレスカメラは凹凸の少ないおしゃれな薄型のものや、クラシックカメラを思わせるシックなものなど、デザインはとても個性豊か。もちろん、一眼レフカメラ風のデザインもあります。カメラは趣味で使うものなので、デザインの好みで選べるのはうれしいポイントといえます。
映画のような動画が撮影できる
一眼レフカメラでもフルHDや4K画質の動画が撮影できますが、動画撮影を重視するならなんといってもミラーレスカメラ。ミラーレス用の交換レンズは、動画撮影時もなめらかにピント合わせできるので、ある被写体から別の被写体にピントが移動する際もスムーズにピントが変わっていきます。背景や手前のボケも大きく、映画のような印象的な動画も撮れます。一眼レフのピント合わせはなめらかではないので、腕がないとうまく撮ることはできません。
欠点はだいぶ解消されたが、バッテリーの持ちは悪い
ミラーレスカメラの登場当時、「撮影性能や装備は一眼レフに及ばない」といわれていました。たとえば、電子ビューファインダー(EVF)は表示の粗さや遅延が指摘されていましたが、現在は技術改良が進み、見え方は大幅に改善されました。ピント合わせのスピードも、一般的な使い方ならば不満のない性能に向上。それどころか、光学ファインダーでは不可能だった顔認識AFや瞳認識AFが利用できるようになり、ミラーレスカメラのほうが優れる部分も少なからず出てきました。
ただし、バッテリーの持ちは依然として一眼レフに大きく劣ります。ミラーレスカメラは、撮影スタンバイ時も撮像素子や画像処理回路、電子ビューファインダー、背面液晶を常に駆動させているので、バッテリー駆動時間の悪さが劇的に改善することはありません。できれば、予備バッテリーは用意しておきたいところです。