脳の神経再生の実現を目指す創薬ベンチャーであるサンバイオは4月17日、同社の再生細胞薬「SB623」を用いた外傷性脳損傷(TBI)による運動機能障害に対して治療が有効である可能性が示唆されたことを明らかにした。

同成果は、米国サンディエゴで開催された米国脳神経外科学会(American Association of Neurological Surgeons:AANS)の年次総会において発表されたもの。今回の試験では、SB623投与群46名とコントロール群15の合計61名のTBIによる運動機能障害を持つ被験者を対象に実施。機能障害評価法の1つであるFugl-Meyer Motor Scale(FMMS)を用いて、24週時点のベースラインからの改善量を比較した結果、統計学的な有意さが認められたという。

  • SB623
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  • TBI向けフェーズ2試験の概要と結果

また、安全性評価についても重篤な有害事象も発生しなかったとする。ただし、脳硬膜を切って中に脳に直接治療薬を投与する影響から、術後7日までにSB623投与群の34.4%に頭痛が発生するなどの有害事象が生じたとするが、コントロール群との間で有害事象発生率の統計学的な有意差は見られなかったという。

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  • TBI向けフェーズ2試験における有害事象とSB623の関連性

なお、同社は外傷性脳損傷プログラムフェーズ3臨床試験を2020年1月期末までに開始することを計画しているほか、日本においては、国内の再生医療等製品に対する条件および期限付承認制度を活用し、2020年1月期(2019年2月~2020年1月)中に、再生医療等製品としての製造販売の承認申請を目指すとしている。

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    TBI向けの今後のロードマップ