米Appleが3月25日 (現地時間)にスペシャルイベントを開催することを発表した。会場はApple Park (カリフォルニア州クパチーノ)内のSteve Jobs Theater。開始時間は、現地時間の午前10時 (日本時間: 3月26日午前2時)。キーノートはライブストリーミングで配信される。イベントを告知するWebページには同社のロゴと共に「It’s show time」と書かれており、今年の登場が噂されていたビデオストリーミングのサブスクリプション・サービスの発表イベントになると見られている。

  • 「It’s show time」

    2019年、最初のAppleスペシャルイベントは「It’s show time」

映画・TV番組のストリーミングサービは、米国においてNetflixがオリジナル番組を武器にケーブルチャンネルの牙城を崩して市場を確立。HBOなどオリジナル番組を持つケーブルチャンネルも参入、Amazon Prime Videoや YouTubeのPremiumサービスも加わった混戦状態になっている。また、Sonyの「PalyStation Vue」やGoogleの「YouTube TV」など、地上波放送とケーブルチャンネルの放送をパッケージにしたストリーミングサービスも成長している。そうした既存のサービスの多くは、PCやモバイルデバイス、ゲーム機、ストリーミングデバイスを幅広くサポートする"クロスプラットフォーム"を特長としている。後発である上に、サービスの展開がApple製品中心であるAppleが、ユーザー獲得に向けてどのような特長をアピールするかが注目点になる。

Appleのサービスに関してはビデオストリーミング・サービスの他にも、一カ所で複数の新聞や雑誌を購読できるニュース・記事のサブスクリプション・サービスも噂されている。だが、2月のWall Street Journalの報道によると、有料サブスクリプション売上全体の50%をAppleの取り分とする条件を巡ってパブリッシャとの交渉が難航している。

Appleがスペシャルイベントに「It’s show time」を使うのは今回が2度目だ。前回2006年9月のイベントでは、ビデオ再生機能を備えたiPodを発表、一年前にiTunes Storeで配信し始めたTVショーを拡充、映画を追加、そして iTV (Apple TV)のプレビューを行った。今回のイベントでも、ビデオ配信やニュース配信に関連するハードウェアの発表も期待されているが、3月25日のスペシャルイベント開催を一カ月前にスクープしたJohn Paczkowski氏によると、噂されるiPadやAirPodsの新モデルといったハードウェア製品の発表はない。