NTTドコモから、富士通コネクテッドテクノロジーズ製の「らくらくスマートフォン me F-01L」が2月15日に発売されました。ドコモオンラインショップでの価格は税込43,416円です。

  • らくらくスマートフォン me F-01L

    らくらくスマートフォン me F-01L

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    F-01Lは、泡タイプのハンドソープで洗える

3月6日に行われた新CM発表会の中で、両者は製品の説明とともに戦略を語りました。登壇したのは、富士通コネクテッドテクノロジーズ 代表取締役社長 髙田克美氏(以下、髙田社長)、NTTドコモ 営業本部 マーケティング部 マーケティング戦略部門 川口達哉氏(以下、川口氏)です。

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    らくらくスマートフォン me F-01Lのカラーバリエーションは3色。左から、ブラック、ピンク、ゴールド

らくらくシリーズは好調も、シニア層のスマホ所有率は約3割

シニア向け携帯電話の歴史は古く、「らくらくシリーズ」の初代モデルが登場したのは1999年。それ以来、ドコモケータイの中でも売れ筋の端末へと成長しました。「これまでのらくらくシリーズの出荷台数は3000万台になった」(髙田社長)。

  • 富士通コネクテッドテクノロジーズ 代表取締役社長 髙田克美氏

    富士通コネクテッドテクノロジーズ 代表取締役社長 髙田克美氏

これだけ人気のシリーズでも、シニア層の中にはスマートフォンへの買い替えをためらう人も多いのが現状。

髙田社長は、60歳以上のスマートフォンの所有率について「3割の約1,300万人がスマートフォンを使っていますが、使っていない人は残り7割の約3,000万人もいます」と話します。

  • 60歳以上のスマートフォン所有率

    60歳以上のスマートフォン所有率

今やスマートフォン1台で、決済やナビゲーション、SNSなど多種多様なサービスが使える時代。髙田社長は「スマートフォンを活用すると、日々の生活が豊かで便利になることが、シニア層の全体に伝わっていません」として、社会インフラにもなりつつあるスマートフォンの重要性を改めて強調。そして「新機種では、シニア層がよく使う機能を新たに搭載しました」と述べました。

「らくらくスマートフォン me F-01L」の特徴

長い歴史を持つ「らくらくシリーズ」待望の新機種、「らくらくスマートフォン me F-01L」(以下、F-01L)について、特徴をおさらいします。

まずは目玉機能ともいえる「花ノート」アプリ。これは、カメラで花を撮影すると、AI(人工知能)が自動で解析し、花の名前や花にまつわる情報を画面に表示する機能です。

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    花ノートアプリを使って撮影

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    撮影後に花の情報が表示される

新機能「花ノート」アプリを搭載した理由について、富士通コネクテッドテクノロジーズの製品担当者に尋ねると、「これまでらくらくスマートフォンを使ってきたシニア層は人物や風景よりも花を撮る人が多い」との回答。

また、背面に搭載した脈波センサーは、指で触れるだけで、血管年齢や身体のストレスを計測できます。通話中の声から心の健康度も測れるそうです。

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    背面の脈波センサー

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    血管年齢を測定する様子

通話中に詐欺を防ぐ機能も搭載されています。例えば、発信時に還付金詐欺と思われる会話からキーワードを検出し、会話の録音と音声ガイダンスで録音を行う主旨を通話相手に伝えます。

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    不審な通話は録音され、画面には注意を促す説明文が表示される

F-01LではFMラジオも聴けます。富士通コネクテッドテクノロジーズの製品担当者によると、災害時にモバイルデータ通信網が遮断されたとしても、FMラジオの放送は生きている(聴ける)ことが多いそうです。FM放送とインターネットラジオ「radiko」を切り替えて聴ける点も特徴です。そのほか、地デジのワンセグ放送も視聴できるため、情報取得手段として使えること間違いなし。

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    ラジオを試聴する様子

従来機種の安心機能も継承されています。

通話機能では、騒がしい場所でも相手の声を聞き取りやすい「はっきりボイス」や、高品質な通話を実現する技術「VoLTE」に対応しています。

画面の見やすさも健在。通話やブラウザなどアプリの閲覧時には、従来機種よりも大きな文字サイズで表示されます。

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    左が一般的なスマホで、右のF-01Lはアプリのアイコンが大きいので見やすい

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    F-01Lはボタンも大きく押しやすい

本体のデザインにもこだわっており、手になじむように丸みを帯びた形状です。内部の基板やパネルなどもラウンドしています。耐衝撃、防水、防塵に加え、泡タイプのハンドソープで洗うことも可能です。

ドコモはお得な料金プランと乗り換えやすい仕組み作りに注力

富士通コネクテッドテクノロジーズに続き、ドコモの川口氏もシニア層に向けた取り組みを紹介しました。

  • NTTドコモ 営業本部 マーケティング部 マーケティング戦略部門 川口達哉氏

    NTTドコモ 営業本部 マーケティング部 マーケティング戦略部門 川口達哉氏

若い世代はスマートフォンの所有率が高い一方、シニア層はフィーチャーフォン(ガラケー)ユーザーが多いと改めて指摘。ガラケーからスマートフォンへの移行をためらう理由については、「ケータイの操作方法に慣れている」「スマートフォンの端末代金や通信料金が高そう」「利用シーンやメリットがわからない」など、ネガティブな意見が多いそうです。

  • ドコモはシニア層に向けて、スマートフォンに買い替えない理由を調査

ドコモは、こうした問題を払拭すべく、料金と操作性についての取り組みも強化しています。

料金では、対象端末を購入することで、月額からずっと1,500円を割り引く料金プラン「docomo with」を2017年から提供(個人名義で中学生以上なら利用可能)。当然ながら、らくらくスマートフォンの新機種F-01Lもdocomo withに対応しています。

操作性については、全国約2,400店舗のドコモショップで、参加費無料の事前予約制を取り入れた講座「ドコモスマホ教室」を開催してきました。スマートフォンの使い方を具体的にわかりやすく教えてくれます。実際の機種を使いながら“スマホのプロ”と呼ばれる専任講師が優しくレクチャーするこの教室、初心者にも好評なんだそうです。

  • 今後はさらに端末と既存サービスの連携を強化する狙い

ドコモでは、スマートフォンへの乗り換えを検討する人だけでなく、スマートフォンの初心者や既に使っている人なども対象にした「60歳からのスマホプログラム」を3月1日から提供しています。

「60歳からのスマホプログラム」の対象年齢は名称の通り60歳以上で、以下の3つの特典を受けることができます。

・毎日の歩数と体重の記録がdポイントになる「dヘルスケア(月額500円)」
・レジャー施設などで特典が受けられる「dエンジョイパス(月額500円)」が最大13カ月間無料
・「らくらくコミュニティ」でプログラム特典が受け取れる(内容は近日公開予定)

ドコモは、シニア層にもスマートフォンの便利さや楽しさを感じてもらい、スマートフォン利用者からガラケー利用者へ口コミによる乗り換えも促進していく考えです。