17型で解像度は2,560×1,600ドットというディスプレイ仕様は使い勝手と見やすさという意味でいいバランスといえます。表示ズームは初期状態で150%設定、フォントの表示サイズは2バイト文字で実測約3㎜でした。

  • 解像度は2,560×1,600ドットといまでは珍しい16:10比率のディスプレイを採用する

17型ということで3,840×2,160ドットの解像度を期待する意見もあるかもしれませんが、フォントの表示サイズと表示ズームのバランスを考えると、いまの仕様がちょうどいいように思えます。

  • 表示ズーム150%設定、Edgeで表示したマイナビニュース記事本文のフォント表示サイズは約3㎜

なお、LGはノートPCの利用目的として多くのユーザーがコンテンツ視聴を望んでいると考えているため、ディスプレイパネルは光沢仕様としています。映画などの視聴ではメリハリがついて非常によい表示品質です。

一方でデザイン仕事や書き仕事が長時間に及ぶと、映り込みが気になるのは否めません。バッテリー駆動時間を重視してディスプレイ輝度を下げると特に顕著に現れました。

キーボードはピッチ19㎜とさすがに十分確保しています。キータッチは軽めですが音は静かでキートップのぐらつきもなく、推した力はぐっと支えてくれます。総じて打ちやすいキーボードです。

キーボードにはテンキーも用意しています。隣接しているのと、多くのノートPCのキーレイアウトでBackSpaceやEntreキーが右端となっているので、誤ってテンキーを押してしまうユーザーも多いかもしれません。その場合、NumLockキーでテンキーを無効にすると、少なくとも誤入力は減ります。

  • キーボードはテンキーを備える。タッチパッドの位置がもう少し左よりだと使いやすい

  • キートップサイズは実測で約16㎜

ただし、テンキーを無効にした場合でも「/」「-」キーは有効なので、BackSpaceを押すつもりでこれらのキーを誤ってタイプしてしまうことはありそうです。

テンキーを右端に備えたことで、キーボードのホームポジションは左にシフトしています。タッチパッドもそれに合わせて左に寄せているのですが、キーボードホームポジションと比べると右に寄っているため、筆者としては違和感を覚えました。

なお、表面温度についてパームレストは問題ないのですが、キーボードは中央部分、数字キーでいうと4列から9列で挟まるエリアだけが温かくなりますが、熱いほどではありません。

ベンチマークテストでパフォーマンスをチェック

それでは、ベンチマークテストで処理能力を調べてみましょう。その前に、評価表機材の構成も確認しておきましょう。

製品名 LG gram 17Z990
CPU Intel Core i7-8565U(1.80GHz)
メモリ 8GB
ストレージ 512GB SATA SSD
グラフィックス Intel HD Graphics 620(CPU内蔵)
光学ドライブ なし
ディスプレイ ディスプレイ:17型(2,560×1,600ドット)非光沢
ネットワーク 10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN(アダプタで対応)、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 5
本体サイズ/重量 W380.6×D265.7×H17.4mm / 約1,340g
OS Windows 10 Home 64bit

PC全体の基本性能を測る「PCMark 10 Essentials」、ビジネス系アプリケーションでの性能を検証する「PCMark 10 Productivity」、DirectX 12対応の軽量グラフィックスベンチマーク「3DMark Night Raid」の結果は以下の通りです。

テスト名 スコア
PCMark 10 Essentials 7232
PCMark 10 Productivity 6196
3DMark Night Raid 4446

続いては、CPUの性能を測る「CINEBENCH R15」です。マルチスレッドとシングルコアの結果を示しています。また、ゲーム系のベンチマークテストとして「ファイナルファンタジーXIV紅蓮のリベレーター」も実施しました。

テスト名 スコア
CINEBENCH R15 CPU 519 cb
CINEBENCH R15 CPU(Single Core) 166 cb
テスト名 スコア
ファイナルファンタジーXIV紅蓮のリベレーター(標準品質:ノートPC) 4247(普通)

最後にストレージの速度を検証する「CrystalDiskMark」の結果を示します。

テスト名 スコア
Seq Q32T1 Read 561.6.1MB/s
Seq Q32T1 Write 510.3MB/s
4KiB Q8T8 Read 402.1MB/s
4KiB Q8T8 Write 347.2MB/s
4KiB Q32T1 Read 344.8MB/s
4KiB Q32T1 Write 339.0MB/s
4KiB Q1T1 Read 32.17MB/s
4KiB Q1T1 Write 72.18MB/s

17Z990は、とにかくとんでもないモバイルノートPCです。モバイルなのに17型ディスプレイを搭載して重さは1.34kg。それでいてバッテリー駆動時間は15時間以上持つ。これだけで、ほかのことは許せてしまうほどの存在意義があります。

17型で2,560×1,600ドットというディスプレイを搭載しているので、Adobe製品を駆使していつでもどこでもデザインワークと考えたくなります(特に即売会入稿締め切り直前とか)。システムメモリが標準で8GBというあたりが少々心配なところですが、LGでは「アップグレードサービス」を用意しているので、こちらを検討してもよいでしょう。

個人的に大画面モバイルノートPCというカテゴリーでは、Let'snoteが大きな存在感を持っていると考えていましたが、強力なライバルが登場したといえるでしょう。