SDアソシエーションは、MWC19 Barcelona開催に合わせて、次世代SDカード規格「SD 7.1」を発表しました。その中で、次世代microSDカードの規格となる「microSD Express」を新たに追加しました。
PCIe/NVMe対応の超速いmicroSDカード
microSD Expressは、2018年6月に発表されたSDカード規格「SD 7.0」の中で追加された「SD Express」を、microSDに落とし込んだものです。
インターフェイスの仕様は、SD Expressとまったく同じです。接続インターフェイスにPCI Express Gen3 x1、プロトコルとしてNVM Express 1.3に対応していて、データ転送速度は最大985MB/sを誇ります。また、マルチキューイングによるデータ処理に対応しているため、メモリカードに起因するボトルネックも解消されるとしています。
シーケンシャルリード/ライトで最大984MB/s
MWC19 BarcelonaのSDアソシエーションブースでは、SD 7.1に準拠するPhision Electronics製のSDカードコントローラの仕様が公開されていました。NANDフラッシュメモリにTLCまたはQLC仕様の3D NANDを利用して、NANDとの接続チャネルが2本、接続インターフェイスがPCI Express Gen3 x1となることで、シーケンシャルリード、ライトともに984MB/sと、規格のほぼ上限の速度が実現されるとのことです。
また、ブースでは標準サイズのSD Express対応カードのベンチマークテストの結果が示されていました。規格上の速度には届いていませんでしたが、シーケンシャルアクセス、ランダムアクセスともに従来のSDカードとは比較にならない速さが確認できます。もちろん、microSD Expressもこれと同じ速度になるとのことです。
早ければ2020年に登場、ドローンやIoT用途を想定
今回は、microSD Express対応カードの実物が展示されていませんでしたので、実際に確認できてはいませんが、SD Expressカード同様に、UHS-II用の端子として使われていた部分に、microSD Express用の端子が配置されることになります。
壁に掲載されていた写真を見ると、カード側の端子はUHS-II対応のmicroSDカードから変更が加えられて、端子が1本増えていることがわかります。
ただ、UHS-IIとの互換性は失われますが、UHS-I以下との互換性は確保されますので、microSD Express非対応のmicroSDカードスロットでもデータの読み書きが可能となります。
SDアソシエーションはこのmicroSD Expressについて、8Kビデオ録画や360度VR/AR、IoT、高解像度3Dゲーム、車載システムといった、大容量のデータを扱う必要のある用途での利用を想定しているそうです。そして、実際の対応製品については、早ければ2020年ごろから登場してくるのではないか、とのことでした。