高級コードレス掃除機で高いシェアを誇るダイソンが、ロボット掃除機の新製品を発表しました。今度のロボット掃除機は、部屋の間取りを記憶し、暗い部屋でもしっかり掃除します。部屋ごとに運転モードの切り替えもできるとのこと。詳しく見ていきましょう。

  • 今度のロボット掃除機は、真っ青でスタイリッシュ。Wi-Fiにも対応し、アプリから遠隔操作できます

ダイソンがロボット掃除機の初号機「Dyson 360 Eye」を発表したのは2015年のこと。それから3年以上の月日が経過し、満を持して発表されたのが「Dyson 360 Heurist(以下ダイソン 360 ヒューリスト)」です。公式オンラインストアではすでに販売を開始しており、量販店でも3月19日に発売します。公式オンラインストアの価格は118,800円(税込)です。

  • 青いカラーが個性的な「Dyson 360 Heurist」。前モデルと同じく、本体は少し高さがあります

ダイソンは、ロボット掃除機も「掃除機」という名前が付く以上、掃除性能をしっかり備えるべきという考えを持っています。ダイソン 360 ヒューリストでも、掃除機としての機能に3つこだわりがあるといいます。

ダイソンがこだわった3つのポイント

1つ目は心臓部分のモーターである「デジタルモーターV2」。1分あたり最大78,000回転を実現し、「吸引力はほかのロボット掃除機の4倍」だと、ダイソンのシニアデザインエンジニア・ジェームズ・カーズウェル氏は自信をのぞかせました。

  • 円錐形のコーン部分は、ダイソンのサイクロンクリーナーでおなじみの姿

2つ目は、サイクロン技術と密閉性です。ダイソンといえばサイクロンということで、ダイソン 360 ヒューリストにもサイクロン技術を搭載しました。ダイソンのコードレスクリーナーにも採用している「Radial Root Cyclone(ラジアルルートサイクロン)」テクノロジーで、空気からゴミや微細なホコリを遠心分離させます。さらに、高性能なフィルターと密閉性の高い本体設計により、0.3ミクロンの微細な粒子も99.97%捕えるといいます。排気がとってもキレイなのも特徴です。

  • 内部には2種類のフィルターを備えました

  • フィルターは3カ月ごとに水洗いするのがオススメです

  • ダストボックスであるクリアビンも密閉性を高め、排気がもれないようにしています。なお、クリアビンは洗えません

3つ目はブラシ。ダイソン 360 ヒューリストのブラシは、効率よくゴミをとれるよう、本体の幅いっぱいに設けられています。カーペットの奥まで入り込んだゴミをかき出す硬いナイロンブラシと、フローリングの微細なゴミを捕えるカーボンファイバーブラシの2種類を備えました。

  • 赤がナイロンブラシ、黒がカーボンブラシ。どちらも取り外して洗えます

  • 本体幅いっぱいにブラシを配置

  • カーボンファイバーブラシが静電気を抑えて掃除します。本体が通ったところのゴミが、しっかりとれているのが分かりますね

自分の場所がわからなければ、キレイに掃除できない

掃除機本来の性能をいかんなく発揮するために重要なのが、「インテリジェントSLAMビジョンシステム」です。

ダイソン 360 ヒューリストには、自分の周り360度を見渡して状況を把握する「パノラマレンズ」、2m先までを認識する「長距離マッピングセンサー」、障害物を検知する「障害物センサー」、壁や家具の近くまで本体を誘導して掃除をアシストする「壁面近接センサー」、段差を認識する「段差センサー」を内蔵しています。また、暗くなると光る8個のLEDライト、60kgの荷重に耐えられるアルミ製の「カメラマウント」も用意しました。これらのナビゲーションシステムをまとめて、「インテリジェントSLAMビジョンシステム」と呼びます。

  • 本体天面に設置されている「パノラマレンズ」で、周囲を360度しっかり見渡します

  • 天面カメラの周囲に、8個のLEDライトを搭載。部屋の明るさを把握しながら掃除し、部屋が暗ければ自動でLEDライトが点灯します。暗い場所でもカメラで、しっかり室内の様子を把握できそうです

  • 明るい部分のLEDライトは消えて、暗い部分だけLEDライトが点灯するので、ムダがありません

1.4GHzのクアッドコアプロセッサを内蔵し、前モデルよりも短期メモリは8倍、長期メモリは32倍の容量になりました。前モデルと比べて20倍のデータを扱えます。カメラが撮影した画像を解析して部屋のマップを作成し、保存します。複数の部屋マップを保存可能です。これらのマップ情報と、掃除をしながら取得したセンサーのデータを集約することで、ダイソン 360 ヒューリストが今どの部屋のどこを掃除しているかを把握し、効率よく掃除できるというわけです。

【注】音声が流れます。クッションやボックスなど床に置いていあるアイテムのギリギリまで寄り、掃除しています

「ソフトウェア・アップデート機能を備えているので、長期にわたって成長できます」と話すのはジェームズ・カーズウェル氏。118,800円(税込)と高額な製品なので、ソフトウェアアップデートによって長く使えるのはうれしいところですね。

部屋ごとに運転モードを設定できるのがイイ!

スマホアプリ「Dyson Link」を使えば、アプリのマップから部屋と部屋の境界線を指定できます。この機能が面白いのは、部屋ごとに運転モードを設定できること。汚れやすいキッチンは強モードで運転して、あまり汚れないリビングは通常モード、と切り替えられます。ちなみに運転モードは、静音モード、通常モード、強モードの3つです。

  • アプリ上で、部屋の境界線を設定します

ロボット掃除機に掃除を任せていると、「本当にキレイになっているの?」と不安になることがあります。ですが、ダイソン 360 ヒューリストなら、汚れ具合に合わせてアプリから運転モードを自分で決められるので、自分が掃除機を使って掃除しているような満足感を得られると思いました。こうした細かい配慮は、さすが掃除機メーカーというところでしょうか。

【注】音声が流れます。リビングとキッチンをアプリ上で区切り、運転モードを変えました。音が変わるのがわかるでしょうか

技術がギュッと詰まった1台

充電時間は約2時間45分で、稼働時間は最大約75分。本体サイズはW240×H120×D240mm、重さは2.51kgです。センサー、カメラ、プロセッサなど、優れた技術を集めたダイソン 360 ヒューリストですが、操作方法はとてもシンプルで、基本的に本体のスイッチを押すだけ。ワンタッチでOKです。

高価格帯のロボット掃除機だと、ルンバ900シリーズの高さが9.2cm、パナソニックのルーロ(MC-RS810)が9.2cmなのに対し、ダイソン 360 ヒューリストは12cmの高さがあるのに注意しましょう。ほかのロボット掃除機なら入れるのに、ダイソン 360 ヒューリストはぶつかってしまうことがあるかもしれません。

ベッドや家具下の汚れはモップなどで掃除する家庭なら、問題はないでしょう。掃除機メーカーが作ったロボット掃除機。自分で使ってもいいですし、新築祝いやファミリーの引越祝いなどにも、ぜひどうぞ。

  • マイナビニュース・デジタル編集部の瀬尾さんもニッコリ!