小さくなっておにぎりっぽさが増した

まずは、RULO miniのスペックです。サイズはW24.9×D24.9×H9.2cm。レギュラーサイズのRULOがW33×D32.5×H9.2cmであるのに対して、幅と奥行きが8cmほど小さくなっています。メーカーによると、面積比では約40%の小型化に成功したとのことです。高さはRULOと同じなので、見た目の"おにぎりっぽさ"が増し、さらに愛らしく感じます。RULO miniをよく見ると、走行用の車輪部分が外側に少し出っ張っているため、RULOの象徴ともいえる正三角形とは少し異なるのですが。

  • 写真左がRULO、右がRULO mini

RULOでさえも、一般的な円形のロボット掃除機に比べるとコンパクト。三角の形状を活かして、狭い場所でもスムーズに方向転換できます。三角形の角が部屋の隅まで入り込み、家具の足元ギリギリまで接近し、しっかり掃除できるのです。より小さくなったRULO miniが、さらにその能力を高めたことはいうまでもありません。実際に動作させてみても、ふだん自宅で使用している円形の一般的なサイズのロボット掃除機では入れない隙間にも難なく立ち入り、小回りのよさを実感しました。小型でありながら、段差は仕様どおり2cm以下なら力強く乗り越えていきます。

  • テーブル下に椅子がたくさんある空間でも、スイスイ入り込んでいくRULO mini。しかも椅子の脚元ギリギリまでアプローチ可能

RULO miniの場合、障害物を検知して回避するためのセンサーは、前方に発信用と受信用の超音波センサーを2つ、側面に赤外線センサーを1つ備えています。RULOの場合、これらに加えてレーザーセンサーも装備し、最上位モデルにはカメラセンサーまで備えています。

RULO miniはRULOと比べるとセンサー類が簡略化されたかたち。ですが実用面で物足りなさを感じることはありませんでした、赤外線センサーで障害物までの距離を検知し、壁沿いを難なく走行します。赤外線が透過してしまう鏡面、黒色や透明な障害物も超音波センサーで検知するため、しっかり回避してくれるのです。

壁や家具などへの衝突に関しては、ロボット掃除機の平均レベルより高いように感じました。ロボット掃除機は、「作動前に床のコード類を片付けておく」のが鉄則ですが、うっかりコードをそのままにしていても、コードを引っ掛けエラーで停止してしまうことは少なかったです(あくまで我が家の環境において)。

  • 正面左右2つの丸い部分が超音波センサー。本体左右の側面には、赤外線センサーを備えています

RULO miniの走行パターンは、部屋の中をくまなく動き回って掃除する「ランダム走行」を採用。これに、部屋の壁をたどって壁際や部屋の隅を掃除する「ラウンド走行」を組み合わせて、部屋の隅々まで掃除をしてくれます。

さらに、RULO miniでは「スパイラル走行」と呼ばれる機能も搭載。家具などが置かれていない1畳以上の広い空間を検知すると、その範囲内を渦巻き状に動いて掃除するモードで、本体サイズが小さいゆえに部屋全体を清掃するのに時間がかかってしまう難点をカバーするための機能です。なかなか気が利いていますね。

小さくてもしっかりゴミを吸引

RULOと構造上で大きな違いといえば、サイドブラシが挙げられます。RULOは、本体前方の左右2カ所にサイドブラシを備えているのに対して、RULO miniは本体前方の右側だけです。ゴミを吸い取る吸引口の幅は137mmで、RULOとあまり変わりません。吸引部にゴミを掻き込むためのメインブラシはRULOと同じく、毛先がY字状になったものを採用しており、小さいからといってゴミの吸引力を落とさないような設計になっている点も評価できます。

  • 本体裏側。サイドブラシは片側の1カ所のみ。吸引ブラシはRULOとほぼ同じ形状です

  • 本体サイズに対して、吸引口の幅が占める割合が高め

使っていて真っ先に気になったのは動作音。モーター音は一般的なロボット掃除機と同じ印象ですが、床と本体が接触するときに発生していると思われるガラガラ、ゴロゴロといった音が気になりました。集合住宅やマンションだと、階下に音が響かないか気がかりです。

RULO miniは、「音ひかえめモード」も搭載しています。自動モードよりもスピードを落として運転し、実感音を約20%カットできるとのこと。音ひかえめモードで運転してみたところ、「ガラガラ」「ゴロゴロ」といった音は抑えられました。動作音を抑えるかわりに、清掃時間が長くなってしまうというデメリットはありますが、タイマーを設定しておき不在時に運転を終了してしまえばまったく問題ないでしょう。

  • 本体操作部。大きなボタンと表示で見やすい仕様でした。ボタンを押すたびに3つのモードを切り替えられます

【動画】自動モードの運転の様子(音声が流れます。ご注意ください)

【動画】音ひかえめモードでの運転の様子。動作がゆっくりになり、音が抑えられる(音声が流れます。ご注意ください)

ゴミ捨てはこまめにね

小型化で最もネックとなるのはダストボックスの容量です。RULOでも0.25Lと、ほかのロボット掃除機より小さめ。RULO miniでは0.15Lと、さらに容量が少なくなっています。しかし使ってみると、1回で満杯になることはなく、ゴミ捨てさえおこたらなければ問題ないと感じました。

  • 容量0.15Lのダストボックス。さすがに小さい

  • PUSHボタンを押すとダストボックスが開き、ワンタッチでゴミを捨てられる仕組み。小さくても従来機を踏襲した二重のフィルター構造で、クリーンな排気を実現しました

連続使用時間は約80分、充電時間は約3時間で、内蔵バッテリーは約1,100回の充電に耐える仕様です。運転可能面積である20畳までの範囲であれば、途中でバッテリー切れを起こすことはまずないでしょう。もちろん、自動で充電器に戻ってくれる機能も備えています。

一方で少し不便だなと感じたのは、リモコンがない点です。スマホ連携機能まで必要とは思わないものの、スタートや運転モードの切り替えを毎回本体で操作しなければならないのはちょっと不便でした。慣れの問題もありますが、日常的な利用にはタイマー機能で解決できるでしょう。

  • 予約設定は1時間~9時まで、1時間単位で設定可能。予約ボタンを押すごとに数字が切り替わる

このほか有用だと感じたのは「スポットモード」。開始位置を中心にして、直径1.2メートルの範囲を渦巻き状に内側から外側、外側から内側へ往復して掃除する機能です。ロボット掃除機では一般的な機能ではありますが、本体サイズが小さいぶん、狭い場所でも小刻みな動きで掃除してくれるので、通常サイズのロボット掃除機より活用度が高いと思います。

【動画】スポットモードの動作の様子。同じ空間でも本体が小さいぶん、よりていねいに掃除してくれる印象(音声が流れます。ご注意ください)