ロジクールの「MX Vertical」(MXV1s)は、斜めに傾いたボディが特徴的なエルゴノミクスマウスだ。同社によると「主要エルゴノミクス研究者が定めた一連の基準に従って設計」されており、従来のマウスに比べて、筋緊張を10パーセント低減できるとされている(ニュース記事はこちら「ロジクール、筋緊張を10%軽減する初の縦型マウス「MX Vertical」 - 9月20日発売、価格は税別12,880円」)。
もっとも、この種の形状が特殊なマウスは、どうしても慣れが必要であることに加えて、別の弊害が出ることもあり、実際に使ってみなければ、評価はなかなかしづらいものがある。今回はこのMX Verticalの使い勝手を、2週間にわたってチェックしてみた。なお特に断りのない限り、試用はWindows 10環境で、Bluetooth接続で行っている。
デザインはユニーク、機能はベーシック
大きく斜めに傾いたボディが特徴的な本製品だが、ボタン配置は基本的にホイール付き2ボタンマウスのそれと変わらない。ホイールは同社の一部製品が採用している、押し込むことでフリースピンのスクロールに切り替える機能には非対応で、またチルト操作も対応しない。
親指の当たる位置にある2ボタンは、ユーティリティ上でショートカットなどを割り当てられる。またこの2ボタンとは別に、親指の腹で操作できるボタンが上部にひとつ装備されており、初期設定で割り当て済のカーソル速度の切り替え以外に、任意のショートカットを割り当てることも可能だ。
本製品は底面のBluetoothボタンを押すことによって、接続先を最大3台のデバイスから切り替えられる。またマウスのポインタを画面の端まで持っていくと自動的に接続先が別のデバイスに切り替わる、同社の「Logicool Flow」にも対応している。
接続方法は、付属するUSB接続の「Unifyingレシーバー」を使う方法のほか、Bluetooth接続にも対応している。また本体前方には充電用のUSB Type-Cポートが用意されており、ケーブルを接続したまま使うことも可能だ。ちなみにフル充電では4カ月の駆動が可能とされている。
解像度は最大で4,000dpiまで対応するなどハイスペックだが、ボタンの数だけでいうと、それほどカスタマイズの余地は高くない。ユニークなデザインこそが最大の特徴であり、それを除けば、1万円を超えるマウスとしては機能はむしろベーシックな部類に入る印象だ。