UL Japanは2月21日、日本地域における自動車産業のCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)対応の支援に向けた取り組みの一環として、千葉県香取市の拠点「鹿島EMC試験所」に、モーターやインバーターなどを実装状態で計測することができるEHV Chamberを2基備えた「次世代モビリティ棟(仮称)」の建設を決定したことを明らかにした。

EHV Chamberは、2018年に愛知県みよし市のオートモーティブ・テクノロジー・センター(ATC)内に1基設置済みで、今回の新棟の稼動により、国内顧客向けに合計3基のEHV Chamberを提供することが可能となるという。

新棟でのサービス開始は2020年1月を予定しており、これにより、東日本でも「CISPR 25:2016 Ed.4 Annex I」および「ISO 11452-2 Ed.3 Clause 8」対応のEMC試験を実施しやすくなり、関東を中心とした顧客の利便性の向上を図ることができるようになると同社では説明している。

なお、新棟建設などにかかる投資額は十数億円規模で、建て屋の延べ床面積は1584m2、車載用電波暗室はEHV Chamber2基を含め合計3基、電気試験室も3室備える予定で、設置されるEHV Chamberは、最高トルク125Nm、最高回転数12000rpm、動力吸収量170kWの実負荷まで再現できる固定型ダイナモメーターを搭載しているため、トラックなどの大型車両向けコンポーネントの測定にも対応できるとしている。また、鹿島EMC試験所は現在、GM、フォード、ジャガー・ランドローバー、マツダの認定試験所となっているため、EHV Chamberも車両メーカーの認定を受ける予定だという。

  • 次世代モビリティ棟

    次世代モビリティ棟(仮称)の完成予想図