インターネットイニシアティブ(IIJ)は1月16日、Windowsのデスクトップとアプリケーション環境を仮想化し、月額のクラウドサービスとして提供する「IIJ仮想デスクトップサービス」において、同時接続ユーザ数の拡大やマスターイメージの運用代行オプションの追加などを行い、2月15日から提供を開始すると発表した。

IIJ仮想デスクトップサービスは、CitrixのCitrix Virtual Apps and Desktops(旧称:XenAppおよびXenDesktop 7.15 LTSR)を活用し、仮想デスクトップを利用するために必要な高性能サーバリソース、ライセンス、運用一式をクラウド型で提供しているサービス。

パソコンやスマートデバイスで利用でき、端末にデータを保有しないためセキュアなモバイルワークを実現するほか、Windows 10に対応しており、Windows 7の延長サポート終了(2020年1月14日予定)に伴うOS移行にも適しているほか、IIJの他サービスの併用で認証対策やモバイルの接続性維持など、仮想デスクトップを利用する上で生じる課題を解決するという。

今回の機能拡充により、同時に5000ユーザまで利用できるデスクトップリソースはCPUコア数48、メモリ1024GB~2048GBを搭載した仮想サーバを提供する。

また、毎月1回、指定された日時にWindows Updateを反映したマスターイメージを自動作成し、実行。マスターイメージの手動配信や切り戻し作業の代行、OSの変更にも対応し、複数のマスターイメージを保持でき、クローニング(複製)時に不具合が生じた場合は設定変更前の状態にPCの再起動で切り戻すことができるという。

  • サービスのイメージ

    サービスのイメージ

さらに、従来のサービスメニュー体系を刷新し、基本サービスは管理リソース、デスクトップリソース、VDSライセンス、プロファイルストレージ、オプションではアンチウィルスオプション、マスターイメージ運用代行オプションをそれぞれ提供し、対応OSはデスクトップがWindows 10、Windows7、アプリケーション配信がWindows Server 2016、Windows Server 2019(対応予定)となる。

そのほかの同社サービスとの併用例としては、インターネットからのアクセスと認証対策においてActive Directory(AD)のクラウド運用サービス「IIJディレクトリサービス for Microsoft」や、クラウド型ID管理・認証サービス「IIJ IDサービス」を併せて利用することで、ADサーバのインフラ運用やID・パスワード管理の負荷軽減、フェデレーション(各種サービスへのシングルサインオン)が実現でき、ワンタイムパスワードの管理アプリ「IIJ SmartKey」で段階認証によるセキュリティ強化も図れるとしている。

加えて、ネットワーク接続性の確保においてはフレッツ輻輳回避やゲートウェイ負荷分散などを実現するネットワークの仮想化サービス「IIJ Omnibusサービス」や、切れにくい快適なVPN環境を提供する「IIJフレックスモビリティサービス」を利用することで、拠点間の回線混雑や再接続の手間といったモバイル通信時のストレスがないという。

価格は、仮想PC環境(3000ユーザ、同時接続2100ユーザ)が1ユーザあたり月額約3600円、Web分離環境(2500ユーザ、同時接続500ユーザ)が1ユーザあたり同約1600円。