Microsoftは米国時間2019年1月9日にリリースしたWindows 10 Insider Preview ビルド18312で、「Reserved Storage(予約済みストレージ)」と称する機能を追加した。
機能更新プログラムの適用する際、ストレージ空き容量を確保できず失敗する可能性を抑止するため、約7GBの空き領域を確保するという。なお、この確保容量はオプション機能や言語を整理することで、容量を減らせるようだ。
本機能は次のWindows 10となる「19H1」をクリーンインストールしたPC、もしくはプレインストールされたPCで有効になるものだが、インサイダープログラム参加者は、ビルド18298からビルド18309が稼働している状態で、HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Windows¥CurrentVersion¥ReserveManagerキーのDWORD値「ShippedWithReserves」のデータを「1」に変更しなければならない。
筆者は複数のPCをInsider Previewを適用しているが、前述の手順を踏まなかったPCは予約済みストレージは有効にならなかった。だが、ビルド18312を適用し損ねたPCで、レジストリエントリーを変更してから更新したところ、ビルド18312の適用に失敗してしまう。
Windows Updateのリセットなどを試してみたが結果は同じ。DWORD値「ShippedWithReserves」のデータを書き戻して、ようやく最新ビルドへ更新できた。
さて、読者諸氏が疑問に感じるのは、予約済みストレージの必要性だろう。Windows 10の歴史を振り返ってみれば、機能更新プログラムの適用にあたって、ストレージ周りで苦労を強いられたという人も少なくない。
印象深いのはWindows 10 バージョン1703リリース時だ。当時の安価なWindowsタブレットはストレージ容量が乏しく、空き容量不足でエラーになってしまうことが多かった。バージョン1703は、USBメモリーなどの外部ストレージを使用できたものの、筆者が試した限りではうまく行かなかった。
加えて、バージョン1607では、外部ストレージにインストールイメージを展開するといったハードルの高い操作が必要だった。余談だが、当時のWindows 10 Insider PreviewはSDカードなどを装着したままにすると、更新に失敗するビルドが数回リリースされたように記憶している。
Microsoftが予約済みストレージを必要と判断したもう1つの理由は、ホストドライブとしてSSDを使うことが一般的になったことだ。128GB程度のSSDをHDD時代のような感覚で使用すると、容量不足に陥るケースは珍しくない。
だからこそ同社はストレージの使用状況を明確にし、「ストレージセンサー」の改良を重ねているのだが、それでも改善しない状況を踏まえて予約済みストレージの実装に至ったのだろう。
前述のとおり筆者環境で予約済みストレージは未確認だが、明確なのはWindows 10 19H1リリース時はクリーンインストールが必要になることである。
阿久津良和(Cactus)