はい、スマートフォンでもテレビ放送を視聴できます。キャッチした放送波を映すためデータ通信費を気にする必要がなく、テレビ番組をリアルタイムで楽しめることが強みです。見たい番組を選んで見るストリーミングサービスが人気の昨今ですが、野球やサッカーなどスポーツ中継といえばテレビ放送ですから、通勤通学の途中で見たいという人は多いはずです。

スマートフォンで視聴できるテレビ放送は、「フルセグ」と「ワンセグ」の2種類があります。1つの放送局に割り当てられた帯域は13の電波の幅(セグメント)に分割され、そのうち12セグメントを据え置きテレビ用に、残り1セグメントを携帯電話/スマートフォンなど移動型小型端末用に割り当てています。前者は割り当てられた帯域をほぼ使用するためフルセグ、後者は1セグメントだけのためワンセグ、というわけです。

このフルセグ/ワンセグをスマートフォンで視聴する場合、対応チューナーが内蔵されている必要があります。機能一覧に「フルセグ対応」や「ワンセグ対応」などと記載があることで区別できますが、大手キャリア以外で販売されている端末(いわゆる格安SIM/SIMフリー扱いの端末)ではあまりサポートされていません。なぜなら、デジタルテレビ放送の規格は世界の国/地域により異なるため、世界統一仕様が多いスマートフォンの場合、日本限定仕様にすることが難しいからです。

フルセグ/ワンセグ対応端末を入手したとしても、受信レベルの問題は残ります。特にフルセグの場合、電波の状態がいい場所でなければ視聴は困難です。フルセグに比べるとワンセグは視聴しやすいものの、解像度がQVGA(320×240)と低いため、全画面で見ると画像の粗さが気になります。外付けフルセグ/ワンセグチューナーを利用する手もありますが、電波の状態と画質の点では内蔵タイプと大きく変わりません。

フルセグ/ワンセグとは関係ないテレビの視聴方法として、自宅に設置したビデオレコーダーで受信した映像をスマートフォンで見る「リモート視聴」もあります。この場合、データ通信できる状態であればよく、フルセグ/ワンセグよりも安定した映像を楽しめます。ただし、データ通信費がかなりかかるため(標準画質で1時間あたり300メガバイト程度)、常用するには通信費に関する覚悟が必要です。

  • スマートフォンでもテレビを見ることはできますが、端末を選ぶほか受信レベルの問題が残ります