多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『「Nearby」って何に使うの?』という質問に答えます。

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Nearby(ニアバイ)は、Googleが提供している近接通信機能です。Google Play開発者サービス(Google Play services)に含まれる形で提供され、Android OS 2.3以降/Google Play開発者サービス 7.8以降が導入済の端末でサポートされています。

このNearbyは、半径約30メートル以内にある端末が出す信号を自動検出することで、なんらかの機能/サービスを提供することを目的としています。ユーザの現在位置から判断して役立つアプリやWEBサイトを提案できるため、○○ストアを訊ねたときに専用ポイントカードアプリの利用を通知する、といった活用が可能になります。

端末の検出は、基本的には省電力のBLE(Bluetooth Low Energy)が利用されていますが、Android端末内蔵のスピーカー/マイクで不可聴音を出す方法もサポートされています。データ通信機能を必要を行うときにはWi-Fiも利用できるので、さまざまな機能/サービスに応用することが可能です。

なお、近くにある端末が出す信号はテレビやラジオのように一方向で(ブロードキャスト)、スマートフォン側から情報を引き出すことはありません。BLEの消費電力はごくわずかでバッテリーへの負担は少ないものの、Bluetoothと現在地(位置情報機能)をオンにしないかぎり利用できないため、必要がない場合は確実に無効化することが可能です。

このようにいろいろな応用方法が考えられるNearbyですが、残念ながら対応するアプリ/サービスは多くありません。近くにある端末同士でのコミュニケーションを可能にする「Nearby Connections API」という技術を2017年に投入するなど、Googleは機能拡充を続けているため、今後に期待しましょう。

  • 「Nearby」は半径約30メートル以内にある端末が出す信号を自動検出します