iPad+Apple Pencilで絵を描いてみたいみなさん、こんにちは。ペイント系のアプリは種類が多いし、ツールの機能や使い方がそれぞれ独特で最初はわかりづらかったりしますよね。ここではそんな方のために、定番ペイント系アプリの基本機能と、簡単な使い方をお伝えしたいと思います。

まずは、Apple Pencilを使うならぜひ試していただきたい超基本「メモ」です。初めてApple Pencilを使う方には、慣れる意味でもいい練習になるアプリだと思います。

誰もにオススメできるベーシックな描画ツール

「メモ」は、iPhone/iPadに最初から入っているアプリのひとつです。文字入力したり写真を貼り付けたり書類を読み込んだりと、見た目のシンプルさのわりにそこそこの実力派です。そんなメモの「スケッチ」機能は、お絵かきツールとして基本を押さえた使いやすさが特徴。特にApple Pencilで使うと表現力がぐっと豊かになります。

  • iPadで「メモ」を開いて新規作成→スケッチボタンをタップ→全画面ボタンをタップ

これで全面が描画エリアになりました。下部に表示されているのがスケッチの描画ツールとカラーパレットです。シンプルな構成で描画エリアを広く使うことができます

  • 描画ツールは「ペン」「マーカー」「鉛筆」の筆記具3種と、「消しゴム」「選択範囲」。左端に「取り消し/やり直し」ボタン、右端にスケッチ終了ボタンがあります

描画ツールをタップすると、描画の太さと不透明度を変更できます。

  • 描画ツールをタップすると描画の太さと不透明度を選択できます

  • 線の太さと不透明度の違いはこんな感じ(マーカーの場合)

Apple Pencilを使用すると、筆圧や傾きの角度が描画に反映されます。

  • Apple Pencilの角度による筆跡の違い(鉛筆の場合)

消しゴムを使うと描いたものを消すことができます。ただし現実の消しゴムとは違い、描画した「線」単位で消えるのが特徴です。

  • 消しゴムを選択し描画に触れると、触れた部分につながる線が丸ごと消去されます

選択ツールを使うと描いたものを移動させることができます。消しゴムと同じように、触れた部分を含む「線」単位で移動できるのが特徴です。

  • 選択ツールで線の一部を囲むと、その線をドラッグで移動させることができます

カラーパレットは下部に並んでいる5色のほか、右端の円をタップすると120色から選択することができます。

  • 描画ツールで右端の円をタップ→120色のパレットが表示されます

描画ツールと消しゴムの切り替え機能は微妙かも

新しいApple Pencilは、ボディの平らな面を2回タップで描画ツールと消しゴムの切り替えなどができるようになっています。ただし、誤認識で意図せず反応しまうことが度々あるのでご注意を。違和感があればこの機能をオフにしておきましょう。

  • 設定アプリを開き、「Apple Pencil」→ダブルタップの項目を「オフ」に

ディテールは本格派(特に鉛筆)

では、実際に書き進めてみましょう。今回は質感がリアルな色鉛筆を中心に使ってみます。

<1>大体の大きさと色のイメージを決める

  • 色鉛筆で大きさのアタリを取り、マーカーでざっくり下塗り。ボカシができないので、下塗りの色は不透明度を低く設定しておきます

<2>全体に形を作っていく

  • Apple Pencilを寝かせて全体に色を置き、明暗をつけながら形を作っていきます。はみ出しはあまり気にせずざっくりと

<3>ディテールを書き込んでいく

  • Apple Pencilを立てて、表面のディテールを書き込んでいきます。違う色相の色を少しずつ入れたり、マーカーで淡いグレーを重ねると、ディテールが形に馴染んで自然に見えます

<4>明るい部分、暗い部分をキリッとさせる

  • ハイライトと暗い部分をしっかり描き込むと、形が締まります。最後に白や淡い黄色をはみ出した部分に重ね塗りして目立たなくします

メモでスケッチしたものは、その部分だけ「写真」に保存することができます。

  • (1)右上のシェアボタンをタップ→(2)「画像を保存」。保存形式はPNGで、350dpiにすると幅約11cmになります

「メモ」アプリおすすめのポイント

メモアプリはiOSの標準アプリなので、誰でもすぐに使い始めることができ、シンプルでわかりやすい使い勝手が特徴です。作成した内容はiPhone/Macにも自動的に同期されるので、手描きした絵や図をどこからでも閲覧可能。アイデアメモとして最適です。

レイヤー、フィルタ、ボカシ、変形など、多くのペイント系アプリが持つ機能はほとんどありませんが、それだけに、ペンや色鉛筆といったベーシックな画材だけで気楽にスケッチブックに描くような、絵を描くこと本来の素朴な楽しさを思い出させてくれます。Apple Pencilをお使いの方は、ぜひ一度お試しください。