Mozillaは10月22日 (米国時間)、ProtonVPNとの提携を通じて、FirefoxユーザーにVPN (バーチャル・プライベート・ネットワーク)サービスを提供するプロジェクトを公表した。まずは米国の小規模のFirefoxユーザーを対象に、試験的に販売してフィードバックを収集する。

Mozillaは「安全なブラウジング」をFirefox開発における基本姿勢の1つにしているが、カフェや空港のWi-Fiスポットなど公衆ネットワークにおけるプライバシー保護を実現して欲しいという要望が継続的にFirefoxユーザーから寄せられていたという。VPNサービスによって、Webブラウジングセッションが保護され、個人データのプライバシーが守られる。試験サービスはProtonVPNが提供するサービスをMozillaが販売する。

ProtonVPNは、エンドツーエンドの暗号化でジャーナリストやアクティビストから信頼されている「ProtonMail」と同じ開発チームによって設立された。ユーザーの利用データを記録しない厳しいプライバシーポリシー、高い透明性、信頼性、使いやすさ、サポート品質など、あらゆる面でMozillaの厳しい要求を満たしており、数あるVPNサービスの中からProtonVPNを選んだ。

試験サービスの通知を受けたFirefoxユーザーは、リンクから月額10ドルで「ProtonVPN Plus」に相当するサービスを契約できる。PC (Windows、Mac、Linux)、iOS、Androidを、最大5台までサポート。複数のサーバをルーティングして接続を保護する「Secure Core」、Tor サーバー、ストリーミングサービス対応といった機能を備える。ProtonVPNでPlusを契約すると月額8ドルであり、Mozillaを通じたサブスクリプション料金は割高になるが、ユーザーが直接Mozillaの活動をサポートできるプログラムになっており、料金の一部がMozillaの資金に充てられる。

Mozillaは近年、オープンで安全なインターネットを目指す企業や組織との提携を活発化させている。9月には情報流出のデータベースを作成する「Have I been pwned?(HIBP)」との提携で「Firefox Monitor」を提供し始めた。Webサイトのログインなどに使用しているメールアドレスが情報流出の被害に遭っていないか、ユーザーが簡単に確認できるサービスだ。