キングジムは10月10日、ネットにつながる目覚まし時計「リンクタイム LT10(以下、リンクタイム)」を発表しました。Wi-Fiを利用して、スマートフォンやパソコンからアラームなどが設定できます。10月26日発売で、価格は税別13,200円です。

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    スマートプログラムアラーム「リンクタイム」

スマートフォンを使うようになってから、「腕時計を使わなくなった」という人はよく見かけますが、実は「目覚まし時計も使わなくなった」という人も多いのではないでしょうか。

かくいう筆者も、アラームを設定したスマートフォンが目覚まし代わり。起きる時間はだいたいいくつかのパターンに絞られますし、曜日ごとの設定や繰り返し、スヌーズも使えます。一般的な目覚まし時計と違って音量が調節できるので、緊張感を持って起きたいときだけ大音量にするなど、使い勝手がよいですよね。

ただ、スマートフォンならではのデメリットもあり、充電を忘れていたとか、枕元に持ってくるのを忘れたといった経験ももちろんあります。

キングジムの「リンクタイム」は、スマートフォンのメリットに着目しつつ、旧来の目覚まし時計のよさを見直して、双方のデメリット解消を図った「次世代の目覚まし時計」です。

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    リンクタイムの外観は文字通りの「目覚まし時計」

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    リンクタイムの利用イメージ。起床セットと一緒に枕元に

リンクタイムを一言でいうと「ネットにつながる目覚まし時計」です。見た目は普通のデジタル表示式目覚まし時計ですが、宅内のルーターを経由してキングジムの専用サーバーに接続します(インターネット回線も必要です)。ユーザーは、自分のスマートフォンやパソコンからアラームを細かく設定したり、外出先や自宅の作業机の前から、気が付いたときにすぐ設定できます。急な予定が入ったときも、その場でアラーム時間を変更可能なので、「目覚ましをセットし忘れて寝坊する」といった事故の心配がありません。

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    オフィスで仕事中に、明朝から出張の予定が急に入ったというときも、忘れないうちにスマートフォンでアラームをセット

声がアラームになるボイスメモ機能も搭載しています。自分で録音した音声が使えるほか、入力したテキスト情報を人工音声で発声できます。人工音声は現在のところ日本語のみの対応です。

Googleカレンダーと連動するので、カレンダーに記入したその日の予定を読み上げられます。また、天気予報を音声でお知らせする機能も。ゴミ出しや電話連絡など、起きたらすぐにやるべきことをボイスで再生すれば、二度寝で大失敗……なんてこともありません。粗大ごみを出す朝などは超便利そう!

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    ボイスメモ機能は、忘れ物が多い人におすすめ!

離れた場所からジャストナウで音声を発することも可能です。電話だと「出る」操作が必要ですが、これなら彼女に「起きろ~!!」と叫んでもらって起きられるかもしれません。

このほか、アラームの履歴をインターネット経由で他のユーザーと共有したり、アラームを停止したときに他のユーザーにメール等で通知できるのもユニークな機能です。実家の高齢の両親などに使ってもらえれば、離れた地域に住んでいても見守りに活用できます。

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    アラームの履歴や停止操作の情報を他のユーザーと共有すれば、離れた家族の見守りにも使えます

スマートフォンからの操作は、専用アプリ「Link Time App」を使います。Link Time Appの対応OSは、iOS 10以降、Android 6.0以降です。また、パソコンからはWebブラウザで操作します。対応ブラウザは、Chrome、Firef、Safari。HTMLベースなので、基本的にはどのブラウザでも動くはずとのこと。もちろん、スマートフォンのWebブラウザからも操作できます。

Link Time Appに用意された設定は、基本的にWebブラウザ上でも同じ設定が可能なので、使いやすいほうを使えばOK。ただし、ルーターとWi-Fiで接続するときだけスマートフォンでの設定が必要です。

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    スマートフォンのLink Time Appで操作する設定は、パソコンのWebブラウザ上でも同様の操作

Link Time Appでは、ただの目覚まし時計ではなかなかできない、スケジュールを組んでのアラーム設定も便利。いわゆる「カレンダーとは異なる休日」の設定や、毎日、毎週、毎月、毎年の指定なども簡単。睡眠中だけ照度を落としたり、時刻表示の下のLED色をアラームに合わせて変更といった、細かな動作もさせられます。

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    スマートフォンの専用アプリの「Myカレンダー」から、変則的なスケジュールも設定できます

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    休日だけ鳴らさない設定はもちろん、「カレンダーとは異なる休日」を設定したり、毎日、毎週、毎月、毎年なども簡単に設定

デザインは目立たない黒の方形で、液晶は所定の位置に決まった文字を切り替えながら表示するタイプ。背面のスイッチを利用して、Wi-Fi接続してフル機能を利用するスマートモードと、ネットに接続しないで使うシンプルクロックモードを切り替えられます。

本体側面や底面に、スイッチやインタフェースの類いは何もありません。Wi-Fiを使うと消費電力が大きくなるため、電源は電池ではなくあえてACアダプタを採用しています。

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    リンクタイムの背面

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    リンクタイムの天面。大きめのスヌーズボタンと、小さめのアラームオフレバーは気が利いている印象です

今後は、Amazon AlexaやGoogleアシスタントといった、音声アシスタントとも連携を予定しています。連携後は、Amazon EchoやGoogle Homeなどスマートスピーカー(の音声アシスタント)を経由して、アラームの設定などが行えるそうです。対応時期は未定ですが、年内には対応したいとのこと。

リンクタイムをちょっと便利な目覚まし時計……と考えると、税別13,200円は少々勇気のいる価格かもしれません。しかし、老いも若きもスマートフォンの利用が当たり前になりつつある現在、次世代型の目覚まし時計ならではの便利な機能はなかなかの魅力ではないでしょうか。生活習慣を改善したい人や、生活に彩りと余裕が欲しい人、あるいはガジェット好きな友人への贈り物を探している人におススメしたいアイテムです。

本体のサイズは、W107×D45×H107mm、重量は約250g。電源はACアダプタ(コード長1.8m)を使用。本体色はブラックの1色。Wi-Fiは2.4GHz帯のIEEE802.11b/g/nに対応。5GHz帯は利用しません。

  • キングジムのIoT型目覚まし時計「リンクタイム LT10」

    リンクタイムのある生活のイメージ。タブレットももちろん利用できます